釣石神社は北上川北岸の、河口に近いところにあります。
「釣石」ですが元は「つるいし」。現在では「つりいし」の読み方をします。
1618年頃に産土沢の山から今の場所に遷されました。昔は「釣石大明神」とも呼ばれていましたが、それ以上のことは明らかになっていません。
ご祭神は「学業・知恵の神」とされる天児屋根命(あめのこやねのみこと)。
「天岩戸神話」では天照大神が岩戸に隠れた時、気を引くために岩戸の外でお祭りをしました。その際に天児屋根命が祝詞を上げたことが「知恵の神」とされれる由来。
「釣」の字にちなんで「豊漁」のご利益、岩が亀の頭に見えることから「長寿」のご利益も得られます。
落ちそうで落ちない岩…近年パワースポットとして注目されることになった、釣石神社のご神体でもあります。
周囲14mもあるこの岩、見れば見るほど今にも崖から滑り落ちて来そう…。しめ縄でしっかりと釣り上げられているのか(これが「釣石神社」の名前の由来とも)、絶妙なバランスなのか…。
今にも落ちそうなご神体ですが、度重なる災害にもびくともしないのです。昭和53年の宮城県沖地震、そして記憶に新しい平成23年の東日本大震災…。
東日本大震災ではこの辺り一帯も津波に襲われ、社務所や鳥居などが流されてしまいましたが、この岩は無事でした。
そのことから「落ちない」パワースポットとして、受験生が多く訪れています。受験生だけでなく、会社の経営者が業績が「落ちない」といった願掛けで来られることも。
何かからとにかく「落ちたくない人」はぜひ訪れておきたいパワースポットです。
先ほどのご神体と対をなしているのがこの舟形の岩。この岩の大きさはなんと8m×4.5m。
釣られて?いる岩が「陽(男)」、この岩が「陰(女)」で陰陽石のご神体。
「陰陽石」は「夫婦石」でもあることから「縁結び」「夫婦円満」「子宝」といったご利益も授かります。
本殿はこの階段を上ったところにあります。鬱蒼と樹木が繁る階段は、この神社がパワースポットであることを実感。
階段を登っていると古の信仰が心の中をよぎるような、不思議な感覚がします。それは階段横にあるご神体の影響なのでしょうか。どことなく昔懐かしい風景もその一因かも知れません。
が、ご覧の通りの急階段。階段の幅も狭いので、上り下りの際には足を踏み外さないように十分に気を付けてください。
階段の中腹にある看板は、東日本大震災の時の津波到達点です。
本殿はとても簡素です。大きいわけでも立派なわけでもなく、ごく身近にある神社の本殿といった印象。
しかし、目を引くのは本殿に奉納されている「鉾」。小さな質素な建物なのに「鉾」がたくさんあるのは異様に感じます。しかし釣石神社の由来でも「鉾」のことは一切触れていません。
考えられることはご祭神が天児屋根命であること。先にも書きましたが、天児屋根命は「天岩戸神話」で祝詞を奏上しました。そのことから「祭祀」の神でもあるのです。そして「鉾」は日本では主に「祭祀」で使われていました。ということは、祈願の際に天児屋根命に奉納されたものではないでしょうか。
本殿のある場所から見下ろす北上川の雄大な流れは絶景。しばらく時を忘れて眺めることをお勧めします。
釣石神社の「落ちない」ご神体。幾たびの災害にも耐え、現在もその姿を留めています。祈願する側からすれば、これほど頼もしいことはありません。
奉納されている「鉾」から見てもわかるように、古来から信仰の篤い神社でもあります。
何かから「落ちたくない」人もそうでない人も、釣石神社で「落ちない」ご利益にあやかってみてはいかがでしょうか。
アクセス
電車:JR石巻駅〜ミヤコ―バス三陸線・上品郷下車〜北上地区住民バス・北上中学校前下車〜徒歩、約1.2km
車:三陸自動車道 河北IC〜R45号〜県道197号〜R398号経由、約17km
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(2024/3/18更新)
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