写真:旅人間
地図を見る岐阜県関市は、鎌倉時代に刀匠たちが関に移り住んで刀を作り始めたのが始まりと言われる、日本を代表する刀の街。この土地は良質の焼刃土と炉に使う松炭に恵まれ、そして長良川と津保川の良質な水が刀鍛冶にとって理想的な風土条件を備えていたことから、数多くの刀匠が集まったと言われています。中でも「関の孫六」は有名ですね。そして、刀匠たちのスタミナ源として、この地では古くからウナギが食べられていました。
そんな関市には、今でも美味しいウナギが食べられる店が数多くあり、ウナギを知り尽くした人達が足繁く通う知る人ぞ知る「うな丼」のメッカとして知られています。そんな中でも特に注目したいのが老舗の『うなぎの辻屋』でしょう。
ウナギを焼く煙とニオイが店の周辺に充満している辻屋。このいい匂いに負けずここを素通りするには相当な勇気が必要です。この辻屋は、創業が慶応年間(1860年頃)と言われる老舗。川釣りが好きだった初代当主が、いかに魚を美味しく食べられるかに凝り始め、そして食事処を開業したのが始まりだとか。そして戦後になり、四代目当主が「ウナギの本当の美味しさを極めよう」と他の献立を一切止めてウナギ一筋に専念するようになり、現在に至っています。
「切ってから焼く」という創業当時からの伝統を守り、一つ一つ丁寧に焼きあげ、手間暇を惜しまないのが辻屋流。隙間からそぉ〜と覗いて見ると、その受け継がれた伝統の本質が見えてきます。本当に美味しいウナギを食べたいなら、辻屋で間違いはありません。
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地図を見る暖簾をくぐってお店の中に入ると、奥に長く繋がる座敷があり、「これだけ大きいお店なのか」と驚かされますが、いつもほぼ満席状態。人気のほどが良く分かります。遠方から来る人もいれば、地元のお客さんも多い。共通している事と言えば、殆どの方がリピート客と言う事でしょう。美味しいウナギを食べたくて、関東や関西からわざわざ岐阜までやって来る人もいるほどの屈指の名店です。
この辻屋は、辻にお店を構えたことから「辻屋」と言う屋号になったと言われ、創業当時のままの佇まいを今に伝える情緒溢れるお店。店の建物は第二次世界大戦中、空襲による火災の類焼防止のために取り壊しが決まっていたそうです。ところが、取り壊しの日が昭和20年8月15日。そう終戦の日です。解体に取り掛かった時に玉音放送が流れ、急遽取り壊しが中止となったと言う経緯があるそうです。そんな歴史を垣間見ると、また何とも言えない風情を感じますね。
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地図を見る辻屋のうな丼は、最初の一口で全てが分かります。口に入れた瞬間、カリカリとした食感と炭火の香ばしさ、そしてジュワ〜とした柔らかさが特徴。日本各地に名店と呼ばれるウナギ専門店は数多くありますが、この辻屋ほどカリカリでジューシーに焼き上げる事が出来る店はないのでは?と思ってしまうほど見事な焼き加減です。
このカリッと焼き上がったウナギに甘辛さのある濃いタレ、そして炭火の香ばしさも加わると、もう「うま〜い!」の一言以外は出て来ないはず。ウナギ好きな皆さん、もし「うな丼」を語るのであれば、この辻屋の味を知った上で語らないと恥をかいてしまいますよ♪と言いたくなるほど美味しいので、ぜひ一度食べに行ってみて下さい。
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地図を見るランチで食べに行く場合はまず大丈夫と思いますが、夕食の場合はウナギが売り切れてしまう事があります。営業時間は11:00〜14:30と17:00〜20:00ですが、特に土日の場合は早い時間に利用するようにしましょう。駐車場はお店の目の前に大型パーキングがあります。
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(2024/3/29更新)
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