クルーズ船から次々に下船したゲストが最初に目にするのは、アラスカ開拓者たちのモニュメント。だが、つい見逃してしまう。その横にあるケチカン・ビジター・ビューロー前から街に吸い込まれる。
5分ほどでケチカン川河口に沿った街並みに至る。土産物店やレストランがウッドデッキ上に軒を並べ、京都鴨川の川床のようであり、伊根町の舟屋の風情もある。川はここでは鏡のようだが、上流へ歩いていくと、いきなり急流となり、滝と化す。激流とドーッ!とくだけちる音に驚くだろう。
川を渡り、山側へ回り込むと高原の避暑地の空気へ一変する。海抜ゼロメートルのカチカン川河口からわずか200メートル程上流だ。すでに、この川の不思議な魅力に取りつかれているだろう。
川沿いに美しい散策路が続く。庭先の花に見とれていると、ケチカン川はゆったりとした流れにかわり蛇行する。サケの産卵場所を思い起こさせる。
深い森が背後にあり、豊かな緑が川を包み込む。芝の公園の奥まった場所に小さなサケの孵化場(Hatchery)がある。遡上シーズンは、サケの孵化場見学はアラスカ観光の目玉だ。ゆるやかなケチカン川の流れに心癒されるだろう。しばし、静かなせせらぎに耳を澄ましてみよう。
川を渡ると芝がひろがる市民公園がある。木製のテーブルやベンチがあり、ここで一休みするのもいいだろう。橋を渡り散策コースへ戻るその時、何かとんでもないものが目に飛び込んでくる。2メートルほどもある。
『世界一大きな金塊』だ。アラスカは開拓時代にゴールド・ラッシュで沸いた。現在も鉱山産業は観光と並び主要産業だ。アラスカ人の底抜けのジョークと巨大な『金塊』。一攫千金もアラスカの夢だ。そんな開拓時代に思いをはせてみよう。砂金ではないので、持って帰るのは不可能。
『金塊』の近くには、アラスカの伝統文化を紹介する博物館(Totem Heritage Center)があり、先住民の伝統文化に触れることができる。
クルーズ船から何千人も出てきた観光客はすこしずつ三々五々となる。いつの間にか周りは静寂だ。話し声が川面を伝っていく。新鮮な空気を胸いっぱい吸い込み森林浴と散策を楽しもう。
1時間ほどの散策で出発地点のケチカン河口のウッドデッキに戻ったら、サケの燻製などお土産選びを楽しもう。どの店も気前よく試食品を出してくれる。
ウッドデッキにはケーブルカーがある。ホエール・ウオッチングやメンデンホール氷河観光出発地で有名なジュノー港の桟橋にも、ロバート山ケーブルカーがあり絶景だ。ケチカンのケーブルカーはあっという間に頂上についてしまう。
タネを明かせば、これは登山用ケーブルカーではなく、山の上に建つホテル(Cape Fox Lodge)のエレベーターだ。ホテル宿泊客でなくても有料で乗せてくれ、しかも一度払うと何度でも乗れる。エレベーターでホテルに上ると、冠雪の山々や、クルーズ船2〜3隻を背景にしたケチカンの街を眺めることができる。
船を見る絶景ポイントでオススメだ。
ケチカンはハイシーズンには週に30隻ほどのクルーズ船が桟橋を奪い合うアラスカクルーズの人気ポイント。毎日4〜5隻が接岸する。街はクルーズ船が停船する桟橋に直結し、すぐに歩きだせる。
クラシック・カーや車好きの方には、ケチカン消防署(Ketchikan Fire Department)への立ち寄りがオススメ。ピカピカに磨かれたクラシック・カーの消防車が待っている。記念写真ポイントになるだろう。
メープル・シロップ(かえで)は有名だが、当地にはバーチ・シロップ(しらかば)もあり、土産店で味みさせてくれる。ただし、耳かき一杯ほどだ。味比べチャレンジはいかがだろう。
桟橋のケチカン・ビジター・ビューローで無料の地図や情報を入手し、すこし迷いながら歩いてみよう。一層楽しい思い出になるだろう。
アラスカクルーズではグレーシャー・ベイ、スキャグウェイ、ジュノー、シトカ、ヴィクトリアなどケチカン以外にも、人気の氷河見学クルージングや寄港地が準備されている。期間が長めのものが多い海外クルーズだが、アラスカクルーズは1週間程度のものもたくさんあるので、検討してみてはいかがだろう。
マイナスイオンにあふれ、森林浴もできるケチカン川散策で、豊かな自然に触れリフレッシュしよう。開拓時代の気分で、『巨大金塊』探しに出かけてみませんか。
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