剥製から神秘の人体標本まで!岡山「つやま自然のふしぎ館」

剥製から神秘の人体標本まで!岡山「つやま自然のふしぎ館」

更新日:2015/07/22 10:27

乾口 達司のプロフィール写真 乾口 達司 著述業/日本近代文学会・昭和文学会・日本文学協会会員
岡山県津山市といえば、中国山地の中央に位置するのどかな盆地。しかし、そんなところにおびただしい数の剥製や標本類が展示・公開されている博物館があること、ご存知ですか?今回は貴重な剥製や標本類が多数展示された「つやま自然のふしぎ館」をご紹介しましょう。

圧倒的な迫力!稀少生物も多数含まれた館内の剥製類

圧倒的な迫力!稀少生物も多数含まれた館内の剥製類

写真:乾口 達司

地図を見る

津山城に隣接するようにして建つ「つやま自然のふしぎ館」の創設者は津山出身の商人・森本慶三氏。森本氏は熱心なクリスチャンでもあり、内村鑑三の弟子として、津山にキリスト教を広めた人物としても知られています。開館は1963年(昭和38)のこと。開館後は自然史関連の博物館として全国にその名をとどろかせ、森本氏の没後も博物学者などからの多数の寄贈により、その収蔵品はいまなお増え続けています。

その総点数は何と22000点以上!そのなかには、絶滅の恐れのある稀少生物の取り引きなどを禁止したワシントン条約の発効前に持ち込まれた剥製も多数含まれており、国内では当館だけにしか収蔵されていない剥製も多数収蔵されています。もちろん、剥製ならではの迫力は満点。見て下さい、この生々しいまでのリアリティを!

迫力がありすぎて怖くなるほど!北米大陸の動物たち

迫力がありすぎて怖くなるほど!北米大陸の動物たち

写真:乾口 達司

地図を見る

写真は北米大陸に棲む生きものを集めたコーナー。ヘラジカやジャコウコウシなど、大型の剥製類が展示されています。剥製は観覧者と対面するように展示されているので、それらがこちらに向かって突進してくるかのようです。もちろん、このコーナーに限らず、あたりはすべて剥製だらけ。さながら野生の王国に迷い込んでしまったかのような気分になり、ほかに誰も観覧者がいない状況下で館内にたたずんでいると、恐怖すらおぼえることでしょう。

海の珍獣たちも!極地に暮らす生きものたち

海の珍獣たちも!極地に暮らす生きものたち

写真:乾口 達司

地図を見る

展示されているのは、陸上の生き物に限りません。ご覧のように、寒い極地(北極・南極)に棲む巨大な生きものも多数展示されています。ゾウアザラシやホッキョクグマなど、私たちよりも大きな海獣は特に迫力満点です。

これも珍しい!「世界最大」とうたわれるオオサンショウウオ

これも珍しい!「世界最大」とうたわれるオオサンショウウオ

写真:乾口 達司

地図を見る

写真はオオサンショウウオのホルマリン漬け標本。体長1.28メートル、体重23キログラムで「世界最大」とうたわれています。当館の位置する美作地方はオオサンショウウオの一大生息地であり、写真のオオサンショウウオも地元で捕獲されたもの。オオサンショウウオは水の綺麗なところでしか生息出来ないといわれていることを踏まえると、当地がいかに豊かな自然に恵まれているかがうかがえますね。

【閲覧注意】衝撃の人体標本!創設者・森本氏の臓器

【閲覧注意】衝撃の人体標本!創設者・森本氏の臓器

写真:乾口 達司

地図を見る

衝撃なのは、当館の創設者・森本氏の臓器までホルマリン漬けにして保存・展示されていること。これは森本氏自身の遺言に従ってなされたことだそうです。ご本人からすれば、これまで数々の剥製や標本類を蒐集してきた自分自身の臓器もまた蒐集の対象となっている点は蒐集家冥利に尽きるといえるかも知れませんが、観覧者には衝撃以外の何ものでもないでしょう。もちろん、人体の臓器の展示は国内でもきわめて珍しく、当館ならではの特色のひとつとしても挙げられています。しかし、一眼の奇形ブタの標本などとともに、心臓の弱い人は特に観覧注意です。

おわりに

「つやま自然のふしぎ館」がいかに衝撃的で圧倒的な迫力に満ちた博物館であるか、おわかりいただけたでしょうか。津山城のすぐ下に位置しているため、津山城見物のついでに訪れ、大自然の神秘をご堪能ください。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/04 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -