「塩の道」 〜鎌倉・金沢街道の寺社巡り〜 山深い交易路に点在する古刹でいにしえの時に思いを馳せる

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「塩の道」 〜鎌倉・金沢街道の寺社巡り〜 山深い交易路に点在する古刹でいにしえの時に思いを馳せる

「塩の道」 〜鎌倉・金沢街道の寺社巡り〜 山深い交易路に点在する古刹でいにしえの時に思いを馳せる

更新日:2013/05/22 17:10

横浜の金沢八景から鶴岡八幡宮の裏手に抜ける「金沢街道」。
細く入り組みながら続くこの1本道は、かつて鎌倉時代に六浦港から塩や海産物を鎌倉に運んだ交易路として重要な役割を担っていました。

この緑多い古道沿いには鎌倉最古の寺「杉本寺」をはじめ、竹の庭が美しい「報国寺」など趣のある寺社が所々に散らばっています。

まるで時が止まったかの様な異空間に身を置いて、静かに過去の時間と対話してみませんか?

◆光触寺◆ 「塩の道」のアイコン 〜塩舐め地蔵にまずはご挨拶

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1279年に時宗の宗祖・一遍上人によって建立された光触寺。運慶、快慶、湛慶作の阿弥陀三尊をご本尊としています。(ご本尊は年に2回・6月及び10月の第1土曜日のみ公開されます。それ以外の日は10人以上で予約しないと拝むことが出来ませんのでご注意下さい)

門をくぐると目に飛び込んでくるのは、細い参道に沿って左右にびっしりと並んだ墓石の群れ。
左側には彫られた文字がやっと読めるか読めないか…というかなり古いもの、そして右側には研磨されたつややかさを纏った今生のもの。この対比がとても印象に残ります。

そしてその参道の奥に鎮座しているのが7体からなるお地蔵様 “塩なめ地蔵”。
その昔、塩商人がこの金沢街道を通る時に「行商が上手く行きます様に」と一つまみの塩を供えたところ、帰りに通ると塩が無くなっていたとか。いつしか「お地蔵様が塩を舐めてしまわれる」という言い伝えから、この様に呼ばれることになったそうです。

長い年月を経た今でもお地蔵様たちに塩を供えていく参拝者は後を絶ちません。私も持参した塩をお供えし、当時の塩商人の様にその日1日の平穏を祈りました。


行き方:鎌倉駅より京急バス「鎌23」「鎌24」系統、バス停「十二所」下車徒歩2分
住所 :鎌倉市十二所793
電話 :0467-22-6864
拝観料:志納 但し、本尊拝観は10人以上で要予約 300円
時間 :9:00〜16:00

◆明王院◆ 〜鎌倉幕府の鬼門を封じた強靭なパワースポット

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真言宗御室派の寺である明王院は、1235年に鎌倉幕府四代将軍・藤原頼経によって建立されました。背後の山々の緑に本堂の茅葺屋根が映える、こじんまりとしたお寺です。

鎌倉市内で現存するお寺は唯一ここだけだそうで、なるほど、貼られている年季の入ったお札や黒ずんだ梁や柱に遥かなる歳月を感じずにはいられません。

この明王院は、鎌倉幕府の政所から見て鬼門の方角にあったことから、“幕府の鬼門除け”として「不動、降三世、軍荼利、大威徳、金剛夜叉」の五大明王をお祀りした祈願寺でした。

その流れは現在も引き継がれ、毎月28日に本堂で護摩法要が執り行われています。誰でも予約無しでご祈祷して頂けるので、願い事を是非とも成就させたい方は、お出掛けになられるといいでしょう。

鬼門除けのお寺と聞くと、強いエネルギーに満ち溢れた殺伐とした空気感を想像しますが、その言葉とは裏腹にとても長閑で温かい雰囲気の境内。

静かに仏と向き合い対話出来る、心落ち着くお寺です。


行き方:鎌倉駅より京急バス「鎌23」「鎌24」「鎌36」系統、バス停「泉水橋」下車徒歩4分。
住所 :鎌倉市十二所32
電話 :0467-25-0416
拝観料:志納
時間 :9:00〜16:00

(注)境内は撮影禁止となっています。許可を得て撮影しています。

◆報国寺◆ 爽やかな風が駆け抜ける 〜竹林がもたらす癒しの空間

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竹林の庭があまりにも有名で「竹寺」の異名を持つ報国寺は、1334年に足利尊氏の祖父である足利家時によって建立されました。臨済宗建長寺派のお寺です。

入口の山門をくぐったら、苔むした岩や下草の茂る高低木が鬱蒼とする中、石畳に導かれて本堂へ。
お祀りしている釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩の釈迦三尊にお参りを済ませた後は、その奥に広がる「竹の庭」に向かいましょう。

庭に入ると目に飛び込んでくるのは、真っ直ぐに天を突く約2000本もの孟宗竹!突如現れた幽玄な世界に、思わず足を止めて空を仰ぎ見、周囲を見回してしまいます。

木漏れ日が射す竹林の小径をゆっくり歩いていると、まるでこの空間だけが現実と隔離された別天地の様!時折り聞こえてくる、うぐいすの声。吹く風も優しく、心身共にクールダウン・・・癒されて行くのが分かります。

ここで是非立ち寄りたいのが、庭内にある「休耕庵」というお茶屋さん。風情ある竹の庭を眺めながら頂くお抹茶は、格別なもの!喉を潤すばかりでなく、心までも潤してくれるのですから。ゆっくりと時間を過ごしましょう。

竹林の奥には岩肌をくり抜いて造られた足利氏一族の横穴式墳墓(やぐら)があり、ここが鎌倉公方終焉の地であることを示しています。遠くからしか見ることは出来ませんが、静かに心を寄せたいものです。

古都鎌倉のオアシスで、心安らぐひとときをどうぞ。


行き方:鎌倉駅より京急バス「鎌23」「鎌24」「鎌36」系統、バス停「浄明寺」下車徒歩3分。
住所 :鎌倉市浄明寺2-7-4
電話 :0467-22-0762
拝観料:志納 但し、竹の庭の拝観は200円 お抹茶(干菓子付き)500円
時間 :9:00〜16:00

◆杉本寺◆ 鎌倉最古の寺院 〜秘仏・三体の十一面観音の霊妙さに誰もが息をのむ

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鎌倉幕府が開かれる約450年前の734年に藤原房前・行基によって建立された天台宗の杉本寺は、鎌倉最古のお寺として知られています。

その迫力のある形相で山門を守る運慶作の一対の仁王像に若干緊張しながら奥へと進むと、正面には苔で覆われた古めかしい石段が。

過去にどれだけの参拝者がこの階段を上っては下ったのでしょうか。“君が代”でも「苔の生すまで・・・」と歌われていますが、「千代に八千代に」時間が費やされて生えた苔が、その数の多さを静かに物語っていました。

このお寺は本堂に上がって中を拝観することが出来ます。
靴を脱いで入ってみると、堂内は長年灯されてきた蝋燭やお線香で全体的にすすけていて、黒光りしていると言ってもいいほど。又、天井を埋める千社札や板札は、あまりにも時間が経ち過ぎたために書かれている文字が消えかけていたり汚れていたりで判読不明のものばかり。
坂東三十三観音札所の第一番でもある杉本寺。こんなことからも積み重ねられて来た信仰の厚さが肌で感じ取れます。

本堂の奥には、行基・慈覚大師・恵心僧都によってそれぞれ作られた三体のご本尊・十一面観音が安置されています。灯りを落とした厨子の格子越しにおられるため間近で拝むことは残念ながら出来ませんが、観音様が放つ神聖なオーラを身体中で受け止めれば、心洗われた清々しい気分でお寺を後にすることが出来るでしょう。


行き方:鎌倉駅より京急バス「鎌5」「鎌23」「鎌24」「鎌36」系統、バス停「杉本観音」下車徒歩1分。
住所 :鎌倉市二階堂903
電話 :0467-22-3463
拝観料:200円
時間 :8:00〜16:30


今回訪れた名刹は、どこもゆかしい風情に包まれていました。
仏と静かに向き合いいにしえの時に思いを馳せれば、深く心が研ぎ澄まされて豊かな気分になって行くのが分かります。

いつ何度訪れても人々を温かく受け入れてくれるこの地で、ゆったりとした心の休日を過ごしてみませんか?

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/05/06 訪問

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