天空の街イタリア・オルヴィエート、ローマ教皇も隠れた静寂の中世都市

天空の街イタリア・オルヴィエート、ローマ教皇も隠れた静寂の中世都市

更新日:2015/08/28 11:18

ローマ・テルミニ駅からイタリア鉄道とケーブルカーを乗り継ぎ1時間と少し。小高い丘の上に中世の天空の街・オルヴィエートがある。

壮大なドゥオーモ(大聖堂)の絢爛たる色彩、ローマ教皇が掘らせた巨大な井戸、静寂な街に響く鐘の音。鳥になった気分、歴史と文化、グルメなどを堪能できる街だ。

ローマから半日観光ができる隠れ家的観光スポット・天空都市オルヴィエートにご案内しよう!

ケーブルカーでオルヴィエートに登ろう!

ケーブルカーでオルヴィエートに登ろう!
地図を見る

ローマ・テルミニ駅から特急でわずか1時間、イタリア鉄道オルヴィエート駅をでると目の前にケーブルカー登山駅がある。イタリア語でケーブルカーはフニコラーレ。「フニクリ〜・フニクラ〜、フニクリ〜・フニクラ〜〜ッ」、日本人の多くが知る、(ベスビオ山)登山電車のこの歌、口ずさめば楽しさも倍増するだろう。

フニコラーレの線路の先、丘の上に赤茶けた城塞が見える。松や杉などが見え、ローマ・パラティーノの丘を下から見上げたように、どっしりしと他者を寄せ付けない風景だ。城塞の中がオルヴェエート。フニコラーレは2分ほどで、下界から天空の中世へ吸い込まれていく。

どんな中世の景色が出現するか想像しながら下界の景色を楽しもう。

鳥の気分が味わえる景色

鳥の気分が味わえる景色
地図を見る

頂上駅から城塞沿いに下界を見る。イタリア鉄道や、並行する真っ赤なイタロー特急がおもちゃの大きさで谷あいを走る。

城塞からほんの少し身を乗り出すと、悠然と宙を舞う鳥の気分になる不思議な感覚をぜひ体験してみてほしい。

ミケランジェロにシスティナ礼拝堂のフレスコ画を命じた教皇クレメンス7世が、16世紀ローマ略奪時にこのオルヴィエートに隠れた。古くは、紀元前3世紀に古代ローマと戦って敗れたエトルリア人の街。オルヴィエートはラテン語で「古い町」の意味だ。

むこうから時計塔の鐘の音がやってくる

むこうから時計塔の鐘の音がやってくる
地図を見る

城塞都市で、街は2キロほどと小さい。フニコラーレの頂上駅から通りに入り、狭い路地を時計塔を目指して歩く。中世の雰囲気が色濃く残る街の雰囲気を味わって欲しい。途中、マンチネッリ劇場(写真左手)がある。美しいオペラ劇場で見学ができる。日本では珍しいバルコニー席がある美しいオペラハウス。オペラやクラシック・ファンにオススメだ。

突然、石造りの建物に挟まれた路地に、時計塔の鐘が鳴る。時計塔は街全体を見下ろし、路地という路地のすみずみまで音が響き渡る。静寂の石畳に響く鐘の音の強さに驚かされるだろう。

壮大なゴシック建築のドゥオーモ

壮大なゴシック建築のドゥオーモ
地図を見る

時計塔の下で、右の狭い路地へ入るとポポロ広場。一回りし、歩いてきた路地を横切る。緩やかなカーブの路地の向こうから壮大なドゥオーモが神々しく見えてくる。路地を抜け広場にでると、肌色をベースに、赤や青とともに、金色で彩られた外壁画が圧倒的な美しさで迫る。

人もまばらな路地から、大聖堂の前は小中学生の団体が並ぶ。巨大な建築とため息がでるような美しい色彩、精緻な彫刻を心行くまで眺めよう。壮麗なファサードは圧巻! 側面の縞模様はエキゾチックでシンプルだ。

オルヴィエートの陶器と白ワインは世界的に有名。陶器はカラフルで明るい。大聖堂の広場や、大聖堂を見通す路地にもオープン・カフェやピッツェリアがある。壮大なドゥオーモを見ながらのランチは、静かな中世都市・オルヴィエートならではの特別の「サイド・ディッシュ」、オルヴィエートの白ワインのクラシッコで、「サルーテ(乾杯)!」とグラスを傾けてみてはいかがだろう。

やっぱり巨大なサン・パトリツィオの井戸

やっぱり巨大なサン・パトリツィオの井戸
地図を見る

フニコラーレの頂上駅脇から、クレメンス7世が掘らせたサン・パトリツィオの井戸が見える。地上は円形でトイレと見紛うが、地下深さ62メートル、直径13メートル。驚嘆の大きさだ。

井戸の内部は巨大な円筒空洞で、周囲のらせん階段を下りて水をくむ。当時の水汲みの大変さが想像できるだろう。

鉄道情報と、ポケットコーヒー

オルヴィエートへの旅は、イタリア鉄道のインターシティなど往路を特急、フニコラーレで上下し、帰路を普通(リジョナーレ)にすると、3種類の乗り物を楽しめる。鉄道ファン・乗り物ファンには乗り比べがオススメ。普通でも10分程余分にかかるだけだ。普通列車とフニコラーレの切符の扱いは同じ。乗車前に駅で刻印し切符を有効にする(刻印から90分有効)。

オルヴィエートは落ち着いた雰囲気で観光客にも荒らされておらず、まさに隠れ家的場所。ローマと違いスリの心配が少なく安心して歩ける。見学には声をかけるなど予約が必要なところもある。半日観光の場合、効率よい見学は難しい場合もあるので列車の時間にあわせ、余裕をもったスケジュールがいいだろう。

冬季限定だが、日本にあまり入ってこない「ポケットコーヒー(Pocket Coffee)」というチョコレートが有名だ。デューティ・フリーで見かけるゴルフボール位のチョコレート(Ferrero Rocher)も同じ会社(Ferrero社)が製造する。中はエスプレッソ。一度食べるとクセになる味だ。オルヴィエート駅、ローマ・テルミニ駅ほか、カフェなど、どこでも目にする人気商品。テルミニ駅内では、スーパーのCOOPが最もリーズナブル。販売中の季節なら、オルヴィエートの旅のお供にし、疲れたら一粒かじってみてはいかがだろう。イタリア旅行が、一層忘れ難いものになるだろう。

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/02/24 訪問

- PR -

旅行プランをさがそう!

このスポットに行きたい!と思ったらトラベルjpでまとめて検索!

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -