オリエント急行がカフェとして復活!「箱根ラリック美術館」の超美空間に癒される

オリエント急行がカフェとして復活!「箱根ラリック美術館」の超美空間に癒される

更新日:2015/07/14 16:50

安藤 美紀のプロフィール写真 安藤 美紀 おこもり温泉宿探求家、おいしいもの探検家
アガサ・クリスティーの小説や映画の舞台として、多くの人を魅了してきた豪華列車オリエント急行。実は、そのサロンカーが日本有数の温泉地 箱根でカフェとして使われているのをご存知でしょうか。
「箱根ラリック美術館」では、オリエント急行を当日予約の時間制カフェ“ル・トラン”として展示。ジュエリーとガラスの巨匠ルネ・ラリックの作品に囲まれながら優雅なティータイムを漫喫できます。その超美空間カフェの全貌は…?

高貴なオーラを放つ、伝説のオリエント急行が箱根にあった!

高貴なオーラを放つ、伝説のオリエント急行が箱根にあった!

写真:安藤 美紀

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神奈川県の有名な温泉地 箱根仙石原にある「箱根ラリック美術館」は、時代を先駆け新しい作品を生み出した、フランスの工芸作家 ルネ・ラリックの足跡をたどれる日本有数の美術館。

ここは、ラリックの作品を展示しているだけでなく、敷地内にはラリックが内装を手がけたという豪華列車オリエント急行のサロンカーをして展示しています。

約100年の歴史ある列車ですが、外観からも高貴なオーラを放っていると思いませんか?
この列車は1929年に作られ、はじめはパリを出発し南仏へ向かう特急列車コート・ダジュール号として運行していました。その後、車両自体がオリエント急行を運行する会社に買い取られ、オリエント急行として使用されることに。やがて、現役を引退したこの車両は、2004年にヨーロッパから「箱根ラリック美術館」に運ばれ、現在カフェ“ル・トラン”として利用されています。

ヨーロッパから長旅を終え、箱根にやってきたオリエント急行。まさに、日本でここだけのスペシャルなサロンカーなのです。

100年前の美しい空間そのままに

100年前の美しい空間そのままに

写真:安藤 美紀

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それでは、カフェ“ル・トラン”の利用方法をご案内していきましょう。

“ル・トラン”は1時間の交代制カフェ。事前予約ではなく、毎回「箱根ラリック美術館」で予約する必要があります。初回は朝10時、最終回は午後4時。1回の定員が20名までなので、すでに満席の場合は時間をずらして予約することになります。

オリエント急行をあまり知らない…という方でも、ご安心ください。誰でも気軽に楽しめるように、一番最初に車両の隣のスペースで解説ビデオ(約5分)で説明してくれます。さらにティータイムの途中でも、専属クルーが分かりやすく解説をしてくれるので、実際にオリエント急行に乗っているような気分がしっかり味わえるのです。

車内にあるほとんどのものは、現役時代から使われていたものにほとんど手を加えず、今でもそのまま使用しているとか。豪華な布張りの椅子も、かつてオリエント急行で使われていたものを利用しています。普通だったら、列車の椅子は固定されていて動かすことはできませんよね。しかし、この椅子は脚を自由に動かすことができるのです。

まさに、見た目も使用感も“走るレストラン”。高級感溢れるセンスのいい空間が、今もなお生き続けています。

窓際には、当時乗客が使用していた“呼び鈴”が

窓際には、当時乗客が使用していた“呼び鈴”が

写真:安藤 美紀

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窓際にふと目を向けると、丸い数字の横に小さなボタンが。
このボタン、何かお分かりでしょうか?

こちらは、壁に据え付けられている呼び鈴で、現役のときオリエント急行の乗客がこの呼び鈴を鳴らし、クルーを呼んでいたそう。

箱根ラリック美術館のオリエント急行車両は、こういった細かな部分も後から手を加えることはせず、当時の面影をそのまま残しています。このように貴重な調度品や今では珍しくなった車両の機能を、すぐ間近で眺められるのも魅力の1つ!まるでタイムスリップしたかのように、旅人の憧れだったオリエント急行を楽しむことができるのです。

美空間でいただく、パティシエ渾身のスイーツ

美空間でいただく、パティシエ渾身のスイーツ

写真:安藤 美紀

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オリエント急行でいただくティータイムセットの内容は、専属のパティシエが心を込めて作るスイーツとこだわりのドリンク。

フワッフワに焼かれたシフォンケーキは、生クリームをお好みの量でのせ味を調整します。シフォンケーキは普通、フワフワでしょ?と思ってはいたものの、想像以上にフワフワでびっくり!オリエント急行でいただくのにふさわしいスイーツです。

ドリンクは、コーヒー・紅茶・ハーブティーの中からお好きなものを1つチョイス(いずれもHotのみ)。紅茶は、一番美味しいバランスで抽出できるようブレンドされたという、ダージリンとアッサムのブレンドティー。すっきり透明感のある味わいです。コーヒーは、中米グアテマラ産のコーヒー豆を使用。中南米のコーヒー豆コンテストでも1位を獲得したというハイグレードな豆を使っています。

☆オリエント急行 ここだけの話☆
箱根ラリック美術館とお話の上OKが出れば、団体の場合、車両を貸し切ってランチをいただくこともできます。レトロな空間の中、完全プライベートで豪華な食事を楽しめるなんて、かなり贅沢!

専属クルーによる分かりやすい解説付き

専属クルーによる分かりやすい解説付き

写真:安藤 美紀

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ティータイムの途中で、オリエント急行の解説をしてくれる専属クルー。その説明がとっても丁寧で分かりやすい!

例えば、車内の壁に飾られているガラスパネルは、1928年にラリックが制作したもの。人物像のパネルと葡萄のパネルを合わせて1車両だけで156枚も飾られているんだそう!このパネルは、裏面に鏡の加工がされていて、反射光の具合で柔らかな色合いになったり、シャープな印象になったり。アートな魅力がたっぷり詰まったオリエント急行の車両内で、ラリックの作品をお楽しみいただけます。

…これ、なんだろう?と疑問に思ったら、専属クルーに聞いてみてくださいね。

ルネ・ラリックの足跡をたどれる「箱根ラリック美術館」へ

魅惑の美空間、オリエント急行。レトロでハイセンスな空間に包まれながら優雅なティータイムを過ごしてみたい方は、ぜひ「箱根ラリック美術館」を訪れてみてはいかがでしょうか。

また、「箱根ラリック美術館」では、 2015年4月25日(土)〜12月13日(日)までの間、開館10周年記念企画展を開催中。通常は、常設展示室と企画展示室に分かれていて、常設展はラリックの作品だけを展示しているのですが、今だけ特別にミュシャとラリック、両方の作品を鑑賞することができます。

ミュシャとラリックの組み合わせは、世界初!
今までに見たことがない、下積み時代の挿絵作家だったころのミュシャの作品等もたくさん出ていますので、こちらもオススメです。

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