写真:西藤 カオル
地図を見るJR東日本と伊豆急行が乗り入れる伊東駅は、週末になると温泉目当ての観光客でとても賑やか。温泉街らしい名前の「湯の花通り商店街」には、地元名物やお土産品をあつかう店が並び、ぶらり歩くだけでも退屈しません。温泉街の活気をこちらでひととおり楽しんだら、別世界にご案内しましょう。
駅を背に、左手後ろの小高い丘の上に小さいオレンジ色のかわら屋根が見えます。こちらが目指すお宿「うさぎの時計」。健脚な人なら徒歩でも30分ほどで辿り着けるのですが、なにせ丘の上。到着が夕刻になったら迷わずタクシーをご利用ください。車なら山道をのぼること5分程度。登りきった眼下には、伊東の街並みと相模灘の海がいっぱいにひろがります。
写真:西藤 カオル
地図を見る「うさぎの時計」は全5室。そのすべてがオーシャンビューのお部屋になっており、どちらからも素敵な景色を拝めます。なかでも角部屋は2つの窓から海を眺めることができる分、眺望は格別。爽やかなミント系の配色が可愛らしさの中にも大人っぽい雰囲気を保っています。
ペンション名「うさぎの時計」は、もうお分かりでしょうがオーナーが大好きだというルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』にちなんだもの。部屋の中にも静かにその世界観がただよっています。背丈より高い位置にある小花の照明に、お茶会を彷彿させるティーカップのような趣きの花柄の湯のみ。ナイトテーブルのオブジェはお休み前に童話の世界へ誘ってくれそうです。
写真:西藤 カオル
地図を見る近くの森林にすむ鳥のさえずりで目を覚ます朝。高原のように澄んだ空気を取り入れようと、窓を開ければそこは海!朝食会場に出向けば、お部屋以上に絶景がひろがります。
テラコッタ状の床に、アンティークな椅子を備えたテーブルセット。眼下に朝日に照らされた海を眺めながらのこの風景は、まるでヨーロッパのリゾート地のよう。こんなところで、一日をスタートさせたら素敵ですね。丘の上で過ごす伊東は、それまでの「伊東=温泉街」のイメージを180度覆すかもしれません。
写真:西藤 カオル
地図を見るここまで、眺望ばかりを紹介してきましたが、こちらのペンションの隠れた人気は食事にもあります。朝食は、焼きたてのクロワッサンに、選べる卵料理、ベーコン、サラダ、フルーツ盛り合せにコーヒー(又は紅茶)とテーブルが賑やかになるほどいっぱい。卵料理は、スクランブルエッグ・目玉焼き・オムレツからお好きなものをチョイス。食器や備品の一つ一つにアリスの世界観をひそませている様な、女性なら歓声をあげてしまいそうな華やかさがあります。
特筆すべきはクロワッサン。こちらは生地から自家製というこだわりで、テーブルには熱々の焼きたてが振舞われます。ひとくち頬張ったときの「音」もパン好きには幸せの響き!このクロワッサンを目当てにくるリピーターがいるというのにも納得です。
写真:西藤 カオル
地図を見る食事会場のすぐ隣に小さな応接間があり、アンティークで座り心地のよさそうなソファーに腰掛け、オーナーがコツコツ集めたアリスコレクションを拝見することができます。本棚には、アリスに関する書籍がびっしり。パラパラとページを捲っていくうちに、『不思議の国のアリス』の世界にひきこまれていきます。
アリスの物語の挿絵は、もともとは作者のルイス・キャロル自身がつけており、その後、当時のトップ・イラストレーターであったジョン・テニエルに引き継がれ、「不思議の国のアリス」は世に広まりました。多くの人がアリスで思い浮かべるのは、テニエルの挿絵になるでしょう。日本では、2015年3月に亡くなった画家の金子國義の挿絵も人気がありました。「うさぎの時計」にも彼の描いたアリスのリトグラフが飾られています。
『不思議の国のアリス』は、その出版から2015年で150年を迎えます。アニバーサリー・イヤーに、アリスにちなんだ「うさぎの時計」にお出かけしてみてはいかがでしょうか。
超展望のペンション「うさぎの時計」はいかがでしたか。
小高い丘の上のため、素晴らしい景色を堪能できますが、ここまで温泉はひかれていません。伊東温泉を楽しみたい場合は、伊東駅近辺に点在する共同浴場をぜひご利用ください。
昔ながらの低料金(大人250円ほど)で入浴ができます。大きな荷物は、駅のロッカーや手荷物預かり場所などを利用して、マナーよく地元の人と温泉を楽しみたいですね。
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(2024/4/25更新)
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