急勾配日本一!秘境行き南アルプスあぷとラインが想像以上に面白い!

急勾配日本一!秘境行き南アルプスあぷとラインが想像以上に面白い!

更新日:2018/10/26 11:44

大井川鐵道が運行する井川線、通称南アルプスあぷとラインは、千頭駅から井川駅間の25.5kmを結び、小さめの赤いトロッコ列車が奥大井の秘境へと誘います。鉄道日本一の急勾配の山を上り下りする為、途中日本国内唯一のアプト式電気機関車と連結。そんな作業風景も見所の一つで、アトラクションのようなワクワク感満載の列車です。車掌さんの楽しい見所ガイドを聞きながら、奥大井の渓谷美を思いっきり堪能してみませんか?

南アルプスあぷとラインは資材運搬用の森林鉄道がはじまり

南アルプスあぷとラインは資材運搬用の森林鉄道がはじまり

もともと井川線は、大井川水系の水力発電所建設の為に資材運搬用として造られた森林鉄道。現在は地元の方や観光客の交通機関として運行され、山間の斜面を走るためにゆっくりと走行し、終点の井川駅までになんとトンネル61カ所、鉄橋55カ所を越えていきます。秘境への匂いがぷんぷんします・・・。

乗車するドアを手動で開閉するちょっとレトロな赤いトロッコ列車は、独立した車両が複数連結した車両構造になっている為、走行中は他の車両へ移動できません。車両の大きさも片側2席に反対側1席という想像以上に小さめのサイズ。井川線の旅路を楽しむ為には、千頭駅から井川駅方面へは右側、逆は左側と、見所の多い2席側に乗車するのがいいですよ。また、時には写真のような窓のない開放感いっぱいの緑色の展望列車が連結されてる場合があります。眼下に見える神秘的な青さの川や美しい渓谷に向けて席が設けられているので、見つけたらぜひ乗車するのがオススメです!赤いトロッコ列車も大きめの窓が備え付けられているので、自由に開けて楽しんで下さい。

後でナルホド!と思うはずなので、ぜひ車両の奥の方まで写真をよくご覧下さい。何やら大きさの違う車両が!?

見所満載の景色が続く南アルプスあぷとライン

見所満載の景色が続く南アルプスあぷとライン

時にはアドリブ!?も入る車掌さんのガイドも井川線の楽しみの一つ。千頭駅から1つ目の川根両国駅を越えた直後には両国吊橋、続いて土本駅までには大井川・寸又川・横沢の3つの川が合流する地点である三叉峡、そして美しい四季折々が魅力的な寸又峡への起点駅である奥泉駅迄には茶畑が目の前に広がるなど見所がいっぱい。奥泉駅を過ぎると目に飛び込んでくるのは真っ赤な泉大橋。大井川の川面に山々と一緒に鏡のように映る美しい姿も見逃さないようにしましょう。

世界最大級の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」で「死ぬまでに渡りたい世界の徒歩吊橋10」に寸又峡の「夢の吊橋」がベスト10に選ばれています。寸又峡へは奥泉駅からバスで約30分程で到着し、美女づくりの湯として知られる寸又峡温泉もあるので、こちらもぜひお立ち寄りいただきたいオススメのスポットです!

日本国内唯一のアプト区間は連結作業も見所

日本国内唯一のアプト区間は連結作業も見所

泉大橋を過ぎると、アプト区間が始まるアプトいちしろ駅へ到着。アプト区間とは、通常の線路に加え、写真中央に見える3枚のラックレールというデコボコした歯形のレールに、機関車についている坂道専用のラックホイールピニオンを噛み合わせながら走行する区間の事。鉄道日本一の急勾配を走行するため、強力なアプト式電気機関車を連結する作業が行われます。ぜひ連結作業を見るために、一旦列車を降りて最後列に向かいましょう。写真の右側からアプト式電気機関車がゆっくり近づいてくるので、真ん中の白い突起部分を機関車同士で連結し、写真の手前にある太いジャンパー線を最後に繋げ、安全確認して連結作業終了です。

アプト区間は、アプトいちしろ駅⇔長島ダム駅の1区間のみ!

アプト区間は、アプトいちしろ駅⇔長島ダム駅の1区間のみ!

提供元:大井川鐵道株式会社

http://www.oigawa-railway.co.jp/

日本一の急勾配は90パーミル。直線で1000走行して90mの高さを上り下りするという事を表し、アプト区間はアプトいちしろ駅と次の長島ダム駅の1区間のみ。実は1枚目の写真も、アプト区間走行の様子。一番奥の車両がアプト式電気機関車で、他とは違い車両が大きかったのがお分りだったでしょうか?長島ダム駅へ上る時は、車両を後ろから押し上げる縁の下の力持ち的な存在として、逆にアプトいちしろ駅へ下る場合は、運転車両の役割と山を下る為のブレーキ制御の役目を担っています。

急勾配をより肌で感じる為のオススメの特等席は、長島ダム駅からアプトいちしろ駅に下る時で、一番最後列の最後部の座席です。前面は大きな窓で遮るものがありませんし、座席は進行方向とは逆に設けられ背中から下る事になりますので、急勾配を下っていくのが視覚はもちろん体全体で実感できるハズ!

※千頭駅へ向かう場合の連結作業は、長島ダム駅では最前列に向かいましょう。両駅では、機関車の切り離しを行う為の解放作業も行われます。

神秘的な奥大井湖上駅は、別名奥大井恋錠駅!

神秘的な奥大井湖上駅は、別名奥大井恋錠駅!
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長島ダム駅を更に進んで行くと、ダム湖である接岨湖がどんどん大きく視界に入ってきます。周りが接岨湖だけに囲まれた奥大井レインボーブリッジに車両がさしかかると、まさに息をのむ美しさに目が釘付けに!両端を奥大井レインボーブリッジに挟まれた写真左奥、湖上に浮かぶように佇むのが奥大井湖上駅。奥大井湖上駅は、この立地と駅を取り囲む絶景からも秘境駅とも称され、また、最近では恋に効く「奥大井恋錠駅」として、恋愛・結婚・子宝にまつわる静岡県のエンゼルパワースポットしても人気です。

ダム湖の色は天候や時間等により、ブルー・グリーン・グレー等に変化するのも神秘的で、時にはこのように目が覚めるようなミルキーブルー色に!また、奥大井レインボーブリッジは線路のすぐ脇に歩道があり湖の上を歩けます。その先へは、秘湯「若返りの湯」がある次の接岨峡温泉駅に向かってハイキングコースが設けられ、駅全体を上から見渡せるかなり見晴らしのよい展望台へも歩いていけるので、更なる感動をぜひどうぞ。

秘境を目指して南アルプスあぷとラインを楽しもう!

SLが運行されている新金谷駅から千頭駅間もかなり楽しい電車旅となりますが、千頭駅から更に先にある奥大井は、また違った趣がいっぱいでかなり面白いですよ。大井川沿いは見所も多く、複数の温泉地もあるので一泊以上するのがオススメですが、トロッコ列車にガタガタゆられ景色を見ながらぼーっと電車旅するだけでも楽しめる路線です。まだまだご紹介できていない場所や魅力がたっぷりとあるのですが、想像以上の面白さに乗れば納得!、何度も乗車したくなるような井川線のファンになってしまうはずです!

※「夢の吊橋」については、記事の最下部にある関連MEMO欄:川根本町まちづくり観光協会、寸又峡ほっとステーション、以前書いたLINEトラベルjp 旅行ガイドの記事も参考になさって下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。

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