マニアック・マカオ!世界遺産「マカオ歴史地区」を深く楽しむ観光案内!

マニアック・マカオ!世界遺産「マカオ歴史地区」を深く楽しむ観光案内!

更新日:2015/07/06 10:27

大航海時代、ポルトガルのアジア貿易の拠点となった港町マカオが、中国に返還されたのは1999年のこと。約450年に渡りヨーロッパ人居住地として発展したマカオは、西洋と東洋が複雑に絡み合い融合した、不思議な魅力のある町です。

日本からもアクセスがよく、多くの観光客が押し寄せるマカオといえば、世界遺産の美しい建物が有名ですね。そんな世界遺産から、ちょっとマニアックな観光ポイントをご紹介します!

「媽閣廟」では運試し!?龍鳴鍋で龍の咆哮を響かせて

「媽閣廟」では運試し!?龍鳴鍋で龍の咆哮を響かせて

提供元:遠藤隆尚

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山を背に海を望める「媽閣廟」は、ポルトガル人が最初に上陸を果たした地。敷地内は広く正面の中国式鳥居をくぐり抜けると、大殿、石殿、弘仁殿、観音殿などのお堂に参拝ができ、マカオが植民地になる前からある中国式寺院として、人気を集める観光スポットです。

弘仁殿の廟の外に出てみたら、人が集まる場所を探しましょう。
日本では珍しい「龍鳴鍋」が置いてあります。風水の重要な概念の1つに、大地の気が吹き出すポイント「龍穴(りゅうけつ)」があります。この「龍鳴鍋」は、龍穴を人為的に作り出そうとして考案されたのだそうです。といっても、単なる共振作用なのですが、そんなことを知らなかった昔の人々からしてみれば、仙人があやつる摩訶不思議な仙術に見えたのでしょう。

「龍鳴鍋」にある2つの取手に手を軽く乗せて、交互に上下にこすり合わせてみてください。共振がうまく作用すれば、中央から水しぶきとともに、なんとも不思議な音が鳴り出しますよ!

■媽閣廟(Templo de A-Ma)
ポルトガル人がやってくる前の1488年に創建されたといわれている、マカオで最も古く歴史のある中国式寺院です。はじめて媽閣廟のある海岸に上陸したポルトガル人が現地人に地名を聞いたところ、この寺の名前である「「媽閣(マーコウ)」と返事をしたため、以後この地域全体を「マーコウ→Macau」と呼ぶようになったといわれています。

媽閣廟は、福建や台湾で信奉されている女神「媽祖」を祀っている寺院で、航海を安全に導くとされています。

住所:Barra Square
開館時間:7:00〜18:00

「聖ドミニコ教会」は博物館が狙い目!

「聖ドミニコ教会」は博物館が狙い目!
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中国で最も古い教会の1つであり、中国初のポルトガル語の新聞「A Abelha da China (The China Bee)」が発刊された歴史のある「聖ドミニコ教会」。マカオでもいちばん活気のあるセナド広場のその奥、聖ドミニコ広場で一際目につく教会なので、マカオを訪れた人であれば、一度は目にすることでしょう。

教会の正面右手に開かれた、小さな入り口に注目してください。
この入り口の先にあるのは、かつて建物の裏手にあった鐘楼を改築して、約300点の宗教的装飾品が見られる博物館です。中国で最も古い教会の1つなのですから、そこに展示されている品々はどれも歴史的価値のあるものばかりです。美しい教会に目を奪われて、博物館を訪ねるのを忘れた!なんてことのないようにしてくださいね。

■聖ドミニコ教会(Igreja de S. Domingos、玫瑰堂)
1587年にメキシコのアカプルコから来た、3人のドミニコ会スペイン人修道士によって建てられた礼拝所が起源とされる、中国で最も古い教会の1つです。現在目にしているクリーム色に緑の窓が特徴的なコロニアル調の建物は、1828年に再建されたものといわれています。バロック式の荘厳な祭壇に祀られた薔薇の聖母子像から、玫瑰堂(薔薇の教会)との名前が付きました。毎年5月13日の18:00から聖母像がペンニャ教会まで運ばれる、ファティマの巡礼が行われます。

住所:Largo de S. Domingos, Macau
開館時間:10:00〜18:00

マカオのシンボル「聖ポール天主堂跡」をひとり占めしよう

マカオのシンボル「聖ポール天主堂跡」をひとり占めしよう

提供元:遠藤隆尚

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マカオのシンボル「聖ポール天主堂跡」は、観光客は必ずといって良いほど訪れる名勝地。その美しさをひと目見ようと、朝から夜までたくさんの人でごった返しています。

そんな「聖ポール天主堂跡」のベストショットを撮影したいのであれば、とにかく早起きをして日の出に合わせて「聖ポール天主堂跡」に向かいましょう。散歩や準備運動をする地元の人々がちらほらといるだけで、観光客はまったくいない奇跡の時間が待ち受けています。「聖ポール天主堂跡」をバックに、誰にも邪魔されず好きなポーズでいくらでも記念撮影してみてください!

■聖ポール天主堂跡(Ruinas de S. Paulo、大三巴牌坊)
1602年〜1640年にかけて建設された聖ポール天主堂は、1835年に火事により崩壊、ファザード(正面)を残した現在のような形になりました。隣接の聖ポール大学は、東洋初の西洋式大学でした。裏手地下にある天主教芸術博物館もお薦めです。

住所:Rua de S.Paulo, Macau
開館時間:9:00〜18:00(天主堂芸術博物館、地下納骨堂)

「プロテスタント墓地」ではプロビデンスの目を探せ!

「プロテスタント墓地」ではプロビデンスの目を探せ!
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世界遺産の登録物件の中でもマイナー路線の「プロテスタント墓地」は、人気のカーザ庭園に隣接するものの、日中でもひっそりと静まり返っています。が、単なる墓地と侮るなかれ、ちょっとした不思議が潜んでいます。

まずは墓地に入ってすぐに目につく「モリソン礼拝堂」を覗いてみましょう。白く簡素なチャペルの正面に少し変わったステンドグラスが配されています。宗教のワンシーンを模したステンドグラスが多い中で、ここ「モリソン礼拝堂」は、十字架に「本」という他では見たことのない組み合わせが非常に印象に残ります。

礼拝堂裏手には、マカオでは少数派のプロテスタントの人々の墓地があります。そこにはなんと、プロビデンスの目が刻まれている墓標があり、ミステリーの迷路へと誘ってくれます。

■プロテスタント墓地(Cemiterio Protestante、基督教墳場)
マカオではじめてのプロテスタントの墓地。墓地としての受け入れはすでに停止され、史跡となっています。宣教師のロバート・モリソンは、聖書をはじめて中国語に訳した人物で、同時に中英辞典の著者でもあります。「モリソン礼拝堂」もまた、マカオではじめてのプロテスタント伝道教会で、ローマ式建築様式が採用されています。礼拝堂のステンドグラスに本が描かれているのも、ロバート・モリソンの功績を賛えてのことなのでしょう。

住所:Beside Casa Garden
開園時間:8:30〜17:30

マカオでいちばん高い場所「ギア要塞」の宗教画は必見!

マカオでいちばん高い場所「ギア要塞」の宗教画は必見!
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マカオ半島でいちばん高い場所にある「ギア要塞」。要塞と聞くと、城壁に砲台が配置され、外敵ににらみをきかせているイメージがありますが、この頂上に礼拝堂があるのはご存知でしょうか?

聖母マリアを祀る「ギアの聖母礼拝堂」の内部では、1996年になって発見された中国絵画技法で描かれた宗教画と人物画が見られます。西洋と東洋の技術と宗教、物語が融合した絵画は非常に珍しく、他の教会では見ることができません。マカオの歴史を体現したといえる絵画ですので、山頂まで是非足を運んでみてください。

■ギア要塞(Fortaleza da Guia、東望洋炮台)
マカオで最も高い(91メートル)位置にあるギア要塞は、長い間軍事用地として立入りが禁止されていました。1976年のポルトガル軍撤退を期に、観光地として解放されています。1622年に建てられた「ギアの聖母礼拝堂」には、ポルトガルのギアの聖母が祀られています。また礼拝堂の隣にある灯台は1865年に建設されたもので、現代的な灯台としては、極東アジア最古の灯台といわれています。

住所:Colina da Guia, Macau
開園時間:要塞は9:00〜17:30、 教会は 9:00〜18:00まで
*教会内の撮影は禁止されています。

世界遺産の地図をゲットして効率よく回ろう

いかがでしょうか。
今回はマカオの世界遺産の中でも、ちょっとマニアックなポイントに絞ってご紹介させていただきました。

世界遺産「マカオ歴史地区」には、22の建造物と8つの広場が登録されています。1日ですべて回るのは至難の業ですが、観光案内所や世界遺産に登録されている建物の中に、ときおり無料の世界遺産観光マップ(日本語)が置かれています。地図と共に世界遺産が詳しく説明されているので、世界遺産観光マップを片手に30ヶ所全制覇を目指してみてください!

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/11/05−2013/11/08 訪問

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