お子様と行きたい!柏市「北千葉導水ビジターセンター」

お子様と行きたい!柏市「北千葉導水ビジターセンター」

更新日:2015/06/22 17:19

井伊 たびをのプロフィール写真 井伊 たびを 社寺ナビゲーター、狛犬愛好家
手賀沼のほとり(柏市)にある「北千葉導水ビジターセンター」は「北千葉導水路」の役割やしくみについて学べる施設だ。ところで、「北千葉導水路」ってご存じですか?

大雨による河川流域の浸水被害を抑制したり、手賀沼の水質悪化を緩和したり、東京、埼玉、千葉で飲み水が不足したときには供給調整するなど、私たちの生活にとって、とても重要な働きをしている。特にお子様と訪れれば、導水のことが学べるオススメの施設だ!

北千葉導水ビジターセンター

北千葉導水ビジターセンター

写真:井伊 たびを

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手賀沼(てがぬま)は、千葉県北部、柏市、我孫子市、白井市、印西市にまたがる利根川水系の湖沼。今回、オススメする「北千葉導水ビジターセンター」は、その西岸の柏市側にある地下二階、地上三階の施設だ。

こちらへは、「千葉県立手賀沼自然ふれあい緑道」から、気軽に訪れることができる。インフォメーションのあるエントランスは二階だ。ふれあい緑道から階段で訪れるのだが、足腰に自信のない方は緑道より「エレベーター」の利用が便利。

二階には「北千葉導水路」の全体を知ることができる大型地図模型や、導水路事業を紹介しているボードがある。こちらでは、「首都圏への水の供給」「手賀沼の水質改善」「浸水被害の軽減」といった3つの大きな働きを知ることができる。特に「シアター」にて、映像で施設の働きを学ぶことをオススメする。

三階にある「自然観察コーナー」から望む、手賀沼周辺の自然を一望できる「大パノラマ」は、圧巻!のひと言だ。また、手賀沼と快適な暮らしのための取組紹介コーナーでは、北千葉導水路ができた背景や、手賀沼の水質改善に関するさまざまな取組が紹介されている。

一階から地下二階までは、電動機室、ポンプ室、集合管室といった施設の心臓部が設けられているのだが、こちらを見学するのには事前の予約が必要だ。

利根川と江戸川を結ぶ「北千葉導水路」

利根川と江戸川を結ぶ「北千葉導水路」

写真:井伊 たびを

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利根川は、新潟県と群馬県の県境にある「大水上山」を源流とする。その流れにいくつもの支流が注ぎ込み、千葉県野田市で江戸川を分派し、千葉県銚子で太平洋に流れ込む一級河川だ。

その利根川下流部と江戸川を結んだ約28.5Kmの人工水路が「北千葉導水路」だ。この導水路は、平成12年に日本初の「流況調整河川」として設けられ、治水、利水、手賀沼の環境改善のために役立っている。

ちなみに、かつて全国で水質ワーストワンだった手賀沼が、その汚名返上を果たしたのに、この「北千葉導水路」が一役買っている。

センター二階より「ポンプ室」を望む

センター二階より「ポンプ室」を望む

写真:井伊 たびを

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二階には「ポンプ模型コーナー」がある。第二機場(北千葉導水ビジターセンター)で使用している水を送るためのポンプの構造を、模型と音声ガイドで学ぶことができる。その後、ガラス越しに一階にある「実際稼働中のポンプ」を、観察すれば理解がより一層進むことだろう。

センターへの連絡橋より「着水井」を望む

センターへの連絡橋より「着水井」を望む

写真:井伊 たびを

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「着水井」とは、利根川から導かれた水が、一旦集められる巨大貯水池で、手賀沼へ注ぐ分と江戸川に送られる分を分ける施設だ。

画像奥から、利根川よりの水が「北千葉揚排水機場」を経て流れ込み、一旦この巨大貯水池に貯められる。画像の左側へ勢いよく注がれている水は、手賀沼へ流れ込んで行く。こちらから手賀沼注水樋管を経て流れ込む水は、手賀沼の水質浄化に役立っている。

さらに、「北千葉第二機場」にある大型ポンプを回して、画像手前へ流れ込んで行く水は、大堀川、坂川を経て、やがて江戸川へと到る。

自然観察コーナー

自然観察コーナー

写真:井伊 たびを

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三階には手賀沼周辺や「手賀沼自然ふれあい緑道」が、一望できる「自然観察コーナー」があり、野鳥や植物の観察ができる。

ここ手賀沼周辺では100種類あまりの鳥類が観察できる。冬場はカモ類がたくさん群がり、夏場はヨシゴイやコアジサシなどもやってくる。魚介類は、およそ20種類。汚れに強いコイやフナなどが主流だが、最近では「着水井」放流口の釣り場で、ニジマスやアユなども釣れるそうだ。ちなみに、この辺りの釣り場は、ウレシイことに無料で利用できる。

植物としては、ヒメガマ、ヨシ、マコモ、ハスなど数種類の水性植物が繁っている。このコーナーで、より一層楽しむためにも「双眼鏡」が、必須アイテムなのでお忘れなく!

さらに、野鳥にご興味があれば、我孫子市側の手賀沼のほとりにある「鳥の博物館」へ足を延ばされることをオススメする。

最後に

「水」は、私たちにとって命の源であるばかりでなく、生活するうえで不可欠なものだ。蛇口をひねればいつでも「水」が、ほしいだけ手に入れられると思っている現代人。

そんな「水」が、「どこから来て」「どこへ行くのか」を、改めてお子様と考える一日に、されてはいかがでしょう?お子様の「科学する頭」が、新たに目ざめるかも知れない!

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/06/10 訪問

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