写真:鮎川 キオラ
地図を見るジオパーク(geopark)とは、地球科学的に貴重な遺産となる自然に親しめる公園のこと。日本ジオパーク委員会の言葉を借りると「大地の公園」。教科書で見た地層や、何億年も前の化石などを見ることのできる地層の野外博物館のような場所です。
でも、貴重な自然遺産があるからと勝手に「ジオパーク」とは名乗れません。認定機関の審査が必要となります。世界ジオパークと日本ジオパークがあり、それぞれに認定機関があります。世界ジオパークネットワークは、2004年にユネスコの支援を受けて発足し、その傘下として、2008年日本ジオパークネットワークが発足しました。
国内では、世界ジオパークにも認定されている洞爺湖有珠山、糸魚川、山陰海岸、島原、室戸の5地域をはじめ、合計25地域が日本ジオパークとして認定されているんですよ。銚子ジオパークは、昨年2012年に日本ジオパークとして認定されました。
ジオパークで見ることのできる地球の歴史は、ほんの数百年前ではなく、何億万年前と、想像の範囲を超えたケタ違いの太古の歴史です。例えば、写真は日本最東端の犬吠埼ですが、この白い灯台の足元には約1億2千万年前の白亜紀の地層を確認できるそうです。その昔、恐竜が地球を支配していた時代です。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る今回、紹介する銚子ジオパーク内の一番の見どころとして紹介したいのは、屏風ヶ浦(びょうぶがうら)。その名の通り、高さ50〜60mの断崖絶壁が、海岸線に屏風のように連なる粗削りな風景は、迫力があります。英国のドーバー海峡にあるホワイトクリフに似ていることから、「東洋のドーバー」と呼ばれCMのロケ地などにも利用されているとか。
写真:鮎川 キオラ
地図を見る約10kmにわたり連なる屏風ヶ浦の雄大なスケール全体を見渡すなら、銚子市内の高台に位置する「地球の丸く見える丘展望館」がお勧め。日本にもこんな風景があったのかと思えるでしょう。
断崖の上部は平坦で一面キャベツ畑が広がり、海上からの風を利用した風力発電の風車がクルクルまわり、荒涼とした風景でありながらも、どこかのどかな風景を楽しむことができます。断崖の上は、銚子ドーバーラインと呼ばれる道があり、車でドライブすることもできますが、残念ながらそこからは断崖を見下ろすことはできません。
【地球の丸く見える丘展望館】
入館料 大人350円 小中生200円 65歳以上300円
年中無休
写真:鮎川 キオラ
地図を見る独特の粗削りな風景を間近で楽しむなら、銚子マリーナに隣接する海水浴場から屏風ヶ浦の真下に整備されている遊歩道がお勧め。地理の教科書で見たような幾重にも重なった地層が見て取れます。
この辺りの波は大変荒いので、穏やかな日に訪れることをお勧めします。この荒波、年間70cmもこの断崖を浸食しているそうですよ。そして削られた岩は、砂となって九十九里浜へ流れ着くそうです。
銚子ジオパークは、海と大地が創り出した造形美が魅力。そして銚子の海は、空の青さを映したようなキラキラ光る青い色が特徴と言えます。青い海を眺めていても地球が創り出した地形をあちこちに見ることができます。海上に突き出した岩礁のようなものは、堆積した泥や砂が地殻変動により隆起したものとなります。
地球を旅するなんて言うと大袈裟ですが、約46億年前に地球が誕生し、長い年月をかけて大地ができ、そこへ人が住み、その土地の風土に合った産業が発展した歴史を学ぶ旅こそがジオパークが目指す旅の形です。大地の息吹を感じるジオパークへぜひお出かけください。
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(2024/4/26更新)
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