ご紹介する「薬師の湯」は、河津駅から徒歩で約２５分の場所にあります。河津と言ったら、一足早く春に咲く「河津桜」が有名で、華やかなイメージですが、ご紹介する宿はそんなイメージとは裏腹に、山間部にひっそりと佇むようにあります。
ここ谷津温泉は「行基が温泉を開いた」と伝えられ、宿の近くには行基が開いた「南禅寺」があります。古くから信仰が厚く、そんな場所に建つ湯に入れば、ただでさえご利益を期待できそう。
宿に着くと、誰もが驚いてしまうのがこの光景。駅から歩いて来ると、先程まで普通の街並みだったのに、急にもくもくと上げるこの煙。宿の裏手から上がっているので「火事？」と思ってしまうほど、威勢良く煙が上がっています。煙の正体は、この温泉櫓。あまりの勢いの良さで櫓が見えなくなるほどの凄まじい湯気の量。
深さ４０ｍから、１００度の温泉が毎分１００リットル湧出。たった１本の櫓で、草津温泉の源泉１本を上回る計算になる、かなりの湧出量。本来であれば、地上２０ｍほどの高さまで温泉が噴き上がっているようですが、櫓に蓋がされているため噴煙だけが上げているそうです。
噴水の様にダイナミックに噴き上がる様子を見たい方は、毎週金曜日に行われる、櫓を掃除するときに行くのがチャンス！
冒頭でもお伝えしたように、岩盤浴は温泉の熱を利用しています。その上、温泉櫓の隣で自然の恵みをそのまま体感できると言うこともあって、「どんな岩盤浴なんだろう？」なんて、期待に胸を膨らませてしまうもの。先程ご紹介した櫓の、半端でない噴煙の量を見たら増々、早く入りたい！と思ってしまいますよね。
でも慌てずに。入る前に、利用方法を知っておくと、効果的に入浴することができます。
岩盤浴をする人に、岩盤浴マット・バスローブ・「薬師の湯」のペットボトルが入った、こちらのセットが手渡されます。
このカゴを持って、まずはお風呂の脱衣室へ。そこで、バスローブに着替えて、岩盤浴マットとペットボトル、タオルなどを持って、岩盤浴に行くだけ。
えっ！普通と全く変わらないんじゃないの？と疑問に思われた方もいらっしゃるでしょうが、持ち物の中にただ一つだけ変わったものがあります。
それは、ペットボトルです。ありえないことに、汗をかく岩盤浴に欠かせない水分が一滴も入っていない空のペットボトル。
不思議に思われるでしょうが、これが他の宿と違って「体の中から健康になってもらいたい」という宿の方の気遣いなんです。
自然に囲まれて空気も水も綺麗な伊豆では、水道水からミネラルウォーターに匹敵するくらいの水が出ます。ですが、あえて休憩室にアルカリイオン水が用意されていて、そこで空のペットボトルに水を汲みます。
普通の水よりイオンを含んだ水を飲めば、ストレスなどで酸化した細胞を正常にしてくれる働きがあるそうですよ。なので、岩盤浴へ行くときは、必ずペットボトルに水を入れて行きましょう！
水は何度でもお代わりOK。ペットボトルは浴室に持ち込みができるので、体の中を洗い流しながら入ることができます。
さて次は、いよいよ岩盤浴へ。
こちらが、宿自慢の源泉岩盤浴です。
この部屋の下に、温泉のパイプを通していて、その熱を利用して岩盤浴ができるという仕組み。温泉は、かなりの高温で櫓のすぐ隣ということもあって熱気が凄まじく、室内をカメラに収めようにも、ぼんやりとご覧のありさま。
見た限りでは、一般的な岩盤浴とさほど変わりない浴室で「えっ、普通じゃん！期待を裏切った」と思われた方もきっといらっしゃるでしょう。でも、この浴室に魔法の効果が隠れているんです。
一番に効果を発揮しているのが、一面に敷かれている薬石。ゲルマニウム・ラジウム・トルマリンなどの鉱石など、体に良いものだけを選び抜いて使用しているこだわりよう。
生体電流をコントロールする働き、発汗作用を促す働き、微量の放射線が放出され体に有効な働き、更に遠赤外線が体内に溜まった毒素を排出するなど、さまざまなメリットを生み出しているそうです。
ここにマットを敷いて、座って３分。うつ伏せに寝て３分。仰向けで６分。休息を５分から１０分。これを３セット繰り返すのが理想ですが、体調に合わせて行うのがベスト。
浴室に入ってみると、鉱石の働きが手伝ってか、みるみる汗が出て気分もすっきり。
イオン水を飲みながら入れるので、体の隅々まで浄化でき、お肌の調子も最高に。
岩盤浴は、男女共用（１６人収容可）と女性専用（１０人収容）の２つあり、部屋が分かれているので女性は特に安心ですね。
男女共用の室内の小窓からは、櫓から上がる噴煙が見られます。間近で大地のパワーを体感しながら入れ、自然からエネルギーを頂けてしまうような素晴らしい岩盤浴です。
岩盤浴は、宿の入口から突き当たった右手の別棟にあります。
たっぷり汗を流したら、温泉は如何でしょうか？
大浴場は、宿の入口から突き当たった左側にあり、別棟とは反対側になります。
ここは、自家源泉の宿なので、質の良い温泉に入りながら、汗を洗い流すことができます。
湧きたての新鮮な湯に入れるのは格別で、無色透明で湯上りはしっとりとした湯。
岩盤浴と温泉の相乗効果で、あなたもきっと素肌美人になれますよ。
大浴場は、内風呂と露天風呂の２つがあり、こちらは露天風呂。岩盤浴の後に入るお風呂は、開放的で心地良く、きっと風も爽やかに感じることでしょう！
内風呂・露天風呂共に、大人が５人位入ると一杯になる大きさで、それほどの広さはありません。草津温泉の１本の源泉を上回る湧出量があるのに、お風呂が小さかったら、湧いた温泉はどこに行ったの？と、きっと疑問に思っている方もいることでしょう！
そんな方は、お次をご覧下さい！！
『温泉データ』
泉質：ナトリウム・塩化物硫酸塩温泉
源泉温度：１００度 ｐH８．６
外来入浴：あり
じゃ～ん、こちらは温泉プールです。
プールの全長は２５ｍで５コースあり、このプールにも温泉が注がれています。湯量があるからこそできることで、水温は１年を通して３０度以上に保たれています。
宿泊すれば、無料で利用することができ、温泉に入りながら泳げるので一石二鳥です。
水着の貸し出し・販売は行っていないので、利用する際は忘れずに持参して下さいね。
岩盤浴の利用時間は、９時～２２時まで。
２２時になると、高温のスチームで室内を殺菌消毒。その日のうちに汚れを洗い流すため利用時間が決まっています。汗を流す岩盤浴は、どうしても衛生面が気になるところですが、きちんとお掃除をするので、気持ち良く安心して利用することができますよ。
ご紹介した「薬師の湯」は、温泉雑誌やガイドブックなどにあまり載っておらず、今時の宿のように、気取った雰囲気やお洒落な演出は一切ありません。
あるのは、昔ながらの素朴で落ち着いた空間と、２００％本物の自家源泉。岩盤浴から温泉、温泉プールまで満喫できる健康志向の方にお勧めの宿です。湯治しながら、ゆったりと過ごされても良いですね。
- PR -
このスポットに行きたい！と思ったらトラベルjpでまとめて検索！
条件を指定して検索
(2024/4/26更新)
- PR -
- 広告 -
