浜松市・龍山茶の産地で茶畑の絶景を!〜山地の茶畑と集落の景観がすごい

浜松市・龍山茶の産地で茶畑の絶景を!〜山地の茶畑と集落の景観がすごい

更新日:2015/06/15 11:33

静岡県といえばお茶。丘陵地などに広がる広大な茶畑の景観は静岡県の代表的景観です。しかし、お茶の生産の現場は様々で、意外なところに茶畑があったりします。今回紹介するのは龍山茶の生産で知られる旧龍山村(現・浜松市天竜区龍山町)。旧龍山村はほとんどが山地で、茶畑も山の急斜面に広がってます。龍山の山々と天竜川を背景にした茶畑の景観はまさに絶景ですよ。

天竜川の両側に山地が広がる旧龍山村

天竜川の両側に山地が広がる旧龍山村
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まず旧龍山村について。現在は市町村合併で浜松市天竜区の一地区となってますが、2005年までは独立した自治体でした。といっても、面積は70平方km、合併時の人口は約1,000人でとても小さな村です。写真のように天竜川の両側に山地が広がっている地域です。

さて、本記事では茶畑の景観がテーマですが、写真からは茶畑なんてありそうにないと感じるかもしれません。ところが、実はこの写真にも茶畑が写っているんです。写真中央あたりの山の中腹の色の違うところが、茶畑の中に住宅が散在する集落となっています。写真では川の西側だけですが、川の両側に集落が点々とあるというのがこの地区の特徴です。

茶畑の絶景を求めて下平山地区へ

茶畑の絶景を求めて下平山地区へ
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谷筋の国道からでも、茶畑を遠くに見ることができますが、やはり近くからも見てみたいものです。深山幽谷と天竜川を遠景にした茶畑の景観は絶景です。特におすすめなのが下平山地区。林の中をつづら折りの道路はところどころで開けて茶畑が広がっています。

さて、生産効率だけから考えるとこんな山の中に茶園があることが不思議ではありますが、この土地の気象や土壌はお茶の生産にとても適しているんです。特に天竜川から発する川霧がふくよかなお茶を育てるそうです。霧の中の茶畑をねらって撮影に行くのもいいかも。

川の反対側の山に臨む集落の景観

川の反対側の山に臨む集落の景観
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山地の茶畑の景観は独特でおもしろいものですが、茶畑を含めた山地の集落景観もまた独特です。この地域では川の両側に山村集落が散在するところなので、谷筋から中腹の集落に登ると川の反対側の集落を遠くに見ることができます。

山地の伝統的民家は等高線方向に細長い平面をとるのが全国的にも普通ですが、ここでもそのような特徴を見ることができます。ちょっと変わった点としては、民家が集落内であまり密集していないということ。茶園の中に民家が散在していて、生活と生産が一体となっている様子がよくわかります。また、集落の外側には山林が残されていて、不必要に木を伐らずに自然と共存した集落となっています。ということで、このあたりの集落は、山地における生活と茶生産によって形成された集落構造が独特で、文化的景観として価値の高い文化財とも評価していいと思います。

瀬尻の段々茶園 〜 急斜面に築かれた石垣がすごい

瀬尻の段々茶園 〜 急斜面に築かれた石垣がすごい
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龍山の茶畑でもうひとつ必見なのが「瀬尻の段々茶園」とよばれる茶畑。龍山は山がちなので、斜面に茶畑が造られますが、ここは斜面というよりは絶壁や崖といった言葉がぴったりです。この崖のような急斜面に石垣を階段状に築き茶畑が造られています。高低差は約100 mもあり、圧倒的な迫力のある茶畑です。

最後に

今は浜松市の一部となった旧龍山村の茶畑の景観について紹介してみました。素晴らしい絶景に興味をもっていただければ幸いです。

山深い土地のようですが、実は新東名高速道路の浜松浜北インターチェンジから国道で30 kmほどなので、車でのアクセスは比較的容易です。ここからさらに北へ行くと、佐久間、水窪といったお茶の産地もあるので、時間があれば他の地区もまわってみて下さい。

さて、多くの人を魅了する場所だと思いますが、観光地ではなくただの生産と生活の場なので、見学の際は迷惑がかからないように注意して下さい。下平山地区など中腹の集落へのアクセスは細い道で駐車場などもないので、長時間の路上駐車をしないなどの配慮が必要です。レンタカーで行く場合には軽自動車をおすすめします。また、作業風景の写真撮影の際にはひと声かけてからするようにお願いします。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/10 訪問

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