雲海の城といえば、マチュピチュに例えられる「竹田城跡」(兵庫県朝来市)の「天空の城」が有名だが、天守のある日本らしい風景は「備中松山城」か「越前大野城」(福井県大野市)くらいでしか見られない。
一面に広がる雲海、幻想的に浮かび上がる天守。誰もが一度は見てみたい風景だ。
「見たい!」
と、いっても相手は自然。そう簡単には見られない。雲海が現れやすい条件というのがある。
「天候がよく、無風で、朝方と日中の気温の差が大きいこと」
前日の日中と翌朝の気温が10度くらい離れている日なら、見られる確率が高い。さらに岡山県南部(高梁地域)に「濃霧注意報」が出ていれば、可能性はぐっと高くなる。日が昇るにつれ刻々と表情を変える雲海の山城を存分に楽しみたい。
雲海シーズンは、9月下旬から4月上旬。雲海が現れやすい時期は10月下旬〜12月上旬だ。最も美しいのが、初秋といわれている。
時間は、明け方5時半頃から午前8時頃まで。早起きできる人だけが見られるご褒美といえるだろう。
写真:塚本 隆司
地図を見る備中松山城がある岡山県高梁市は、清流高梁川沿いに広がる盆地にあり「備中の小京都」とも呼ばれている情緒漂う城下町だ。
展望台から眺める町の風景も美しい。
高梁川やJR伯備線「備中高梁駅」を中心に広がる街と、それを見下ろすように建つ山城の風景は、息を呑むほど印象的だ。天気が良ければ、中国山地の山並みを遠くまで見渡せる。まさに絶景スポット。日本らしい美しい風景に出会える。
ふもとを流れる高梁川が夕日に照らされ黄金色に染まる頃、山城の白壁もほんのりと赤みを帯びてくる。いつまでも眺めていたい贅沢なひとときが味わえるのも「備中松山城展望台」の魅力なのだ。
写真:塚本 隆司
地図を見る日が落ちると、四方を山に囲まれた街に明かりが灯る。
闇に閉ざされた山々の間で、ぎゅっと集められたかのように輝く街の夜景は美しく、忘れられない旅の思い出となるだろう。
夜の備中松山城展望台は真っ暗だ。展望台には、管理人がいるわけではない。利用時間帯も制限はなく利用料も無料だが、外灯もないので夜景や夜明けを待つ雲海見学には、懐中電灯が必須だ。
野生のサルが生息しているので注意が必要。余計な物は持たず、サルを見つけても相手にしないようにしよう。
写真:塚本 隆司
地図を見る備中松山城展望台への行き方だが、車がないと難しい。残念ながら場所もわかりづらい。
古いカーナビなら「備中松山城展望台」と入力しても検索されないかもしれない。山中なので電話番号もなければ住所でも設定はできない。事前にしっかりと調べて出かける必要がある。
カーナビの設定をするなら、目印になるスポットは「高梁美しい森」。キャンプ場を備えた自然を満喫できる公園だ。無料駐車場やトイレもあるので、待ち合わせや休憩にも使える。展望台への曲がり角は、同じ国道484号線沿いにあり距離も近い。
賀陽I.C.方面から来たならば、「高梁美しい森」の次の交差点が展望台への曲がり角だ。高梁市街地方面から来たならば、行き過ぎたことになる。
目印は備中松山城展望台と書かれた大きな看板(写真)。ちなみに「備中松山城展望台」のことを「雲海展望台」や「大松山展望台」と表現している資料もあるので注意。看板のある曲がり角から、山中へと続く一本道を5Kmほど走ればよい。街灯はなく、道幅も狭いところがあるので注意して走行しよう。冬場は積雪もあるので無理はしないように。
写真:塚本 隆司
地図を見る展望台駐車場の2Km手前からは、500mごとに小さな看板が道路の左手に立っているので見逃さないように。「あと500m」の看板が見えたら、2つ目のアップダウンで下りかけの右手が駐車場だ(写真)。
4,5台止められるだけの小さな駐車場なので見落とさないように。通り過ぎても焦らなくて良い。400m先まで行けば広いスペースがあるので、Uターンができる。大型バスの転回場なので、駐車はできない。駐車場がいっぱいの場合は、路駐になるが片側を空けて駐車しよう。
写真:塚本 隆司
地図を見る展望台へと向かう途中にも、雲海が見られるスポットはある。展望台からの方が天守を見やすくはあるが混雑時はムリをしないように。写真は「高陣」と呼ばれる場所からの風景。右手に備中松山城、左手に高梁市の市街地を見下ろせる。
写真:塚本 隆司
地図を見る駐車場からは徒歩1分で備中松山城を望む展望台だ。
展望台に上がらなくても見渡せるのだが、周辺の木々があるので、やはり展望台の上からの眺めが一番良い。
写真:塚本 隆司
地図を見る展望デッキは増設され2基に増えたものの、見られるスペースは広いとは言えない。展望デッキで三脚を立てての場所取りも禁止になった。雲海の季節には、かなり混雑が予想されるので、譲り合って絶景を楽しんでもらいたい。
写真:塚本 隆司
地図を見る江戸時代に建設された天守が今も残っているのは、現存天守と呼ばれる12城のみ。
1683年に築城された備中松山城は、現存天守の1つとして最も見応えのある山城といって間違いない。
武家屋敷などが残る城下町や国の重要伝統的建造物群保存地区となっている「吹屋ふるさと村」など、城好き・歴史好きにはたまらない観光地だ。JR高梁駅前も整備をされ、ツタヤ図書館ができるなど観光客にとって利用しやくなっている。雲海シーズンはJR高梁駅前から「観光乗合雲海タクシー」も運行されるので、車がないからと行けなかった人でも見られるかもしれない。詳しくは、高梁市の公式ページを参照して欲しい。
「備中松山城展望台」で、雲海や夕暮れ・夜景を楽しむために重要なのは、天気と時間。特に時間は早朝や夜となるので、旅館やキャンプ場とあわせて計画を立てるのがおすすめ。ぜひ、絶景を狙って「備中松山城展望台」へ行こう。
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(2024/4/27更新)
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