群馬県妙義山〜由緒に隠された強いパワーと信仰「妙義神社」

群馬県妙義山〜由緒に隠された強いパワーと信仰「妙義神社」

更新日:2015/05/31 16:51

群馬県が誇る世界遺産・富岡製糸場から車で14kmほどの場所に、「妙義神社」はあります。

信仰の篤さをうかがわせる、細やかなこだわりが随所に見られる幾つもの築造物。奇岩で有名な妙義山の持つエネルギーに満ちた境内。しかしその妙義山の強いパワーが、神社の由緒に謎を生じさせることに…。

多くの見どころと謎を持つ妙義山のパワースポット、妙義神社をご紹介いたします。

日本三大奇勝のひとつの妙義山

日本三大奇勝のひとつの妙義山
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妙義神社の近くまで来ると、まず妙義山の姿に圧倒されます。断崖絶壁の山肌はほぼ垂直。まさに山岳信仰の山、そう思わせるほどの威容を誇っています。

妙義山は複数の山の総称で、南側の白雲山・金洞山・金鶏山等は「表妙義」。北側の谷急山・丁須の頭・御岳等が「裏妙義」と呼ばれています。ちなみに上の写真の中央に見える白い「大」の字は「妙義大権現」の「大」。これは白雲山の中腹にあり、昔は旅人達の目印となっていました。

妙義神社はその白雲山の東面にあります。そびえ立つ山を背にした神社はパワースポットであることを実感。妙義山への登山口にもなっているため、登山の装備を身に着けた人の姿も多く見られます。

細かなこだわりが見られる境内

細かなこだわりが見られる境内
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妙義神社の境内にはたくさんの見どころがあります。
本社や本社前の唐門・入り口にある総門はもちろんのこと。なかには知らないとそのまま通り過ぎてしまいそうなものまであります。

そのひとつが総門をくぐってすぐにある石垣。
この神社は斜面に作られているので、境内は急勾配。そのため高さ10メートルもの石垣が江戸時代に築かれました。これは妙義山から採れる安山岩で作ったもので、ち密な石垣は当時の技術の高さを伺わせます。

青銅製の燈籠(上の写真階段横)には、美しい細かな装飾。これだけの飾りがついている燈籠は、他ではなかなかお目にかかりません。

また大鳥居(上の写真中央)の足元には、なんと阿吽の狛犬のようなかわいい彫刻。気付かず通り過ぎてしまいそうな場所にも関わらず、こだわりが見られます。

知る人ぞ知るパワースポットエリアは大鳥居の脇。左側に樹齢500年の3本の杉があり、この杉を結ぶ三角形の空間がパワースポットとなっています。忘れずに立ち寄ってください。

波己曾神社と石塔寺

波己曾神社と石塔寺
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妙義神社の創建は532年と言われています。妙義山の古名が「波己曾(はこそ)山」で、昔は「波己曾神社」と呼ばれていました。その頃のご祭神は「波己曾大神」。もともとは社はなく現在の本社の北側にある「影向(ようごう)岩」がその磐座であったとか。当初は自然崇拝だったのでしょう。しかし「波己曾大神」から「妙義大権現」になった経緯など、はっきりとしたことはわかっていません。

時代とともに山の呼び名は変わりました。そして「権現」とは仏が神の姿をして現れたもの。そこから推測すると、神仏習合による変化とも考えることができます。

神仏習合であった証として、明治初期までは「石塔寺」と称するお寺がありました。神仏分離令により廃寺となりましたが、現在もその名残が見られます。165段の急な階段の先に赤い随神門がありますが、その先が旧神域。手前までが旧石塔寺の領域です。

ちなみに妙義神社があるのは江戸城から見て北西の方角。そのため江戸時代には方位守りとして、歴代将軍からも尊崇を受けていました。

壮麗な権現造りの本社

壮麗な権現造りの本社
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本社は宝暦6年(1756年)の建造。本殿・幣殿・拝殿からなっていて壮麗な権現造りです。
目を引くのはその彫刻。特に拝殿の部分では向拝部とつなぐ部分には素晴らしい龍の彫刻が施されています。他にも欄間、壁にも鶴や菊、竹林七賢人など。いずれも見事な彫刻と鮮やかな極彩色で本社をいっそう華やかに感じることができます。

以前はこの本社の北側に波己曾社がありました。現在、波己曾社は大鳥居北側に遷されています。

本社の後ろに祀られている天狗様

本社の後ろに祀られている天狗様
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妙義山には天狗が住むという言い伝えがあります。
天狗は一部の山伏が死後に転生した姿。このことから、妙義山が山岳信仰の山であったことがわかります。

そして本殿の裏側に祀られているのは天狗様。ここの前では天狗様に見据えられているような、得体のしれない強いパワーが感じられます。

心願成就にご利益がありますが、叶えてくれる願いはひとつだけ。ひとつと言われると決めるのはなかなか難しいですが、一番の願いごとを考えておきましょう。

まとめ

妙義山の強いパワーを受け、妙義神社が篤い信仰を受けていたことは、その境内の建造物でうかがい知ることができます。そしてここは神社でありながら、自然崇拝・山岳信仰・仏教の跡。そんな由緒には時代の移ろいが隠されているのかも知れません。それだけ、古くから強いパワースポットであったということなのでしょう。

ぜひ妙義山のエネルギーを受けに、妙義神社を訪れてください。

アクセス
電車:信越本線 松井田駅〜タクシー
車:上信越自動車道 松井田妙義IC〜県道51号〜県道196号経由、約2km

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掲載内容は執筆時点のものです。 2015/05/04 訪問

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