徳島の夜は、市街を展望する万葉の秀峰で〜眉山〜

徳島の夜は、市街を展望する万葉の秀峰で〜眉山〜

更新日:2015/05/17 18:25

まち歩きを楽しむ旅は、めぐるにしたがって町の概要や歴史が分かってくることに面白さを感じられます。そして、最後は夜景鑑賞をすると締めくくったような気持ちになることができるのは私だけでしょうか。徳島市においてその「締めくくり」にふさわしいのは、眉山です。

徳島市街の南西にそびえる標高290メートルの眉山は、低山ながらも万葉集に詠まれた景勝に優れた秀峰です。ここからの夜景をご紹介します。

アプローチは阿波おどり会館から出発する眉山ロープウェイを

アプローチは阿波おどり会館から出発する眉山ロープウェイを
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眉山の麓から山頂までは、ハイキングのできる登山道やパークウェイ・ドライブウェイが通じていますが、快適かつ景色を楽しみながら登れるのはロープウェイになります。

ロープウェイの出発地は、「阿波おどり会館」です。その名が示す通り、ただの駅には留まりません。1階は徳島県の物産品店になっており、すだちに始まり、和三盆や祖谷そば、地酒なども揃い、工芸品も充実。見ているだけでも面白いです。

2階は毎日阿波踊りを上演する「阿波おどりホール」、3階は阿波踊りの歴史を紐解く「阿波おどりミュージアム」となっており、年中無休で阿波踊りの魅力と熱気を伝えています。ロープウェイ山麓駅は5階になります。

見どころ多い眉山の山頂部

見どころ多い眉山の山頂部
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ロープウェイに乗り、約6分。到着すると展望台はすぐ、ロープウェイ山頂駅の上がオーソドックスな鑑賞ポイントです。頂上部は広く、よく整備されています。日没まで時間があれば、散策してみると良いでしょう。

レストラン、無料休憩所があり、中を覗くと万華鏡になっているモニュメントや、“徳島の小泉八雲”と呼ばれたポルトガル出身の作家モラエスを紹介する「モラエス館」、太平洋戦争のひとつ・ビルマ戦で犠牲になった兵士の慰霊塔に、お花見広場なども作られています。

眉山を詠んだ万葉集の句碑も見られます。「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山 かけて漕ぐ舟とまり知らずも」。どの方位から見ても眉の形をしていることから名付けられた眉山は、万葉の時代から徳島の町を見守るように堂々たる山容を誇っていたことが分かります。

市街を眼下に淡路島、紀伊水道まで

市街を眼下に淡路島、紀伊水道まで
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いよいよ夜景です。手前の眉山と徳島城の天守がそびえていた城山に挟まれた市街中心部は明かりが強く、山麓を中心にして町が発展していることが分かります。

また、空と吉野川や新町川、その先に横たわる紀伊水道の異なる陰影が特徴的な地形を浮かび上がらせており、夜景を一層面白くさせています。天気が良いと、鳴門大橋や淡路島の姿も望むことができます。

徳島平野の大パノラマも展望

徳島平野の大パノラマも展望
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定番のビューポイントはロープウェイ山頂駅を降りて北側ですが、180度に近い大パノラマは駅を隔てて南側から展望することができます。

まだ稜線の低い讃岐山脈から鳴門大橋、淡路島、鳴門市街より始まる徳島平野の町の明かり。明かりは徳島市街にかけて続き、大河の吉野川、町の光にアクセントを付ける新町川、大きくうねる姿の印象的な勝浦川がユニークな夜景を成しています。

そして、阿波三峰の一つ・日峰(ひのみね)山の向こうに小さく小松島市街が浮かび、その先の山々と空が溶け合い終焉を迎えます。

夜景は大都市だけのものではありません

これまで、眉山の夜景について紹介してきました。光の量こそ大都市には及びませんが、特徴的な地形が面白く、神戸の夜景にも匹敵するほどの大パノラマが鑑賞できます。
また、4月から10月にかけては21時までと長く運行しており、11月から3月も17時30分までとロープウェイが常に日没まで運行しているのも嬉しいです。

ちなみに、夜深くなると特徴的な地形が見えにくくなってしまうので、日没から少し時間の経過した頃がおすすめの時間になります。
徳島にお越しの際は、ぜひ眉山からの夜景をご覧下さい。

※阿波おどり会館・眉山ロープウェイ等の営業時間、料金など詳細はMEMOのリンクよりご参照ください。

掲載内容は執筆時点のものです。

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