美人の湯「鹿の湯」を7つの湯船で楽しむ!那須「旅館山快」

美人の湯「鹿の湯」を7つの湯船で楽しむ!那須「旅館山快」

更新日:2015/05/18 10:31

野水 綾乃のプロフィール写真 野水 綾乃 温泉旅ライター、ひとり湯治愛好家、栃木のいいとこ案内人
栃木県・那須湯本といえば、開湯より1300年の歴史を数える共同浴場「元湯・鹿の湯」が有名ですが、隣接する温泉街には鹿の湯と同じ源泉が泊まって楽しめる旅館や民宿が点在しています。今回紹介する「旅館山快」もそのひとつ。わずか客室10室の小さな宿ながら、湯船の数は全部で7つ!「美人の湯」と名高い、濃厚な白いにごり湯を堪能できるんです。

濃厚な湯の花で床も壁も真っ白!

濃厚な湯の花で床も壁も真っ白!

写真:野水 綾乃

地図を見る

大浴場は「若鹿の湯」「千慈の湯」の2か所あり、時間による男女入れ替え制。それぞれに3つの湯船が用意されています。浴槽からあふれ出した白い湯の花が床に模様を描くように堆積していて、温泉の濃さを感じさせてくれます。

温泉はすべて元湯・鹿の湯を源泉とする硫黄泉。近隣のほかの宿とくらべると、湯の花をたっぷり含んでいて、なめらかでクリーミーな印象です。硫黄泉は「三大美人泉質」のひとつに数えられていて、メラニンを分解し、肌をワントーン明るく見せる美白効果があります。

湯めぐり気分で伝統の入浴法を楽しむ

湯めぐり気分で伝統の入浴法を楽しむ

写真:野水 綾乃

地図を見る

どちらの大浴場にも共通してあるのが写真の「打湯(打たせ湯)」です。天井から細い滝のように温泉が湯船に注がれています。浴槽内に沈んでいる石に腰掛け、温泉を肩や首筋など気になる部分に当てるというもの。ほどよい刺激と温熱効果がコリや疲れをほぐしてくれます(冬期11月下旬〜3月下旬は打湯を休止する場合があります)。

「腰湯」はミストサウナ気分

「腰湯」はミストサウナ気分

写真:野水 綾乃

地図を見る

さまざまな種類の浴槽が揃う中でもおすすめは、「若鹿の湯」だけにある「腰湯」です。浴室の奥まったところにあるひとりサイズの湯船で、半身浴で入ってちょうどよい深さになっています。三方を壁に囲まれているため、立ち上る湯気がほどよく篭り、ミストサウナのように湯の表面に湯気が漂います。深く呼吸を繰り返しながら漂う湯気を吸い込み、瞑想しながら入りたくなるお風呂です。

もう一方の「千慈の湯」には「寝湯」があります。スーパー銭湯などによくあるものよりやや深めにできていて、身体の力を抜いて手足を伸ばし、腹式呼吸をしながら浸かります。息を吸うと身体がぷかーっとが浮かび、吐くとゆっくり沈んでいきます。身体がふわりと軽くなったような心地になり、心身ともにリラックスできます。

那須の伝統入浴法「かぶり湯」も

那須の伝統入浴法「かぶり湯」も

写真:野水 綾乃

地図を見る

さらに「千慈の湯」には「かぶり湯」があります。
これは「元湯・鹿の湯」にあることでもお馴染みですね。

かぶり湯とは、入浴前にタオルを頭に垂れ下がるように載せ、ひしゃくで汲んだ湯を後頭部のあたりに50〜100回かけるもの。熱い湯に体を慣れさせ、急な血圧上昇とのぼせを防止する効果があります。那須湯本のほかにも、群馬県草津温泉の「時間湯」でも行われています。高温の硫黄泉を楽しむための先人の知恵ですね。

お風呂が好きだった祖父の思いが形に

お風呂が好きだった祖父の思いが形に

写真:野水 綾乃

地図を見る

「旅館山快」のような小さな旅館ですと、せいぜい「熱湯」と「ぬる湯」の2つの浴槽があれば十分のように思います。貸切風呂を含めて7つの浴槽を作ったのは、現在の主人の祖父が相当なお風呂好きだったということから。20数年前に建物を建て直したとき、小さな旅館でも温泉を目いっぱい楽しめるようにと、現在の造りにしたそう。ひとつひとつ、工夫が凝らされたお風呂に、愛情が伝わってきますね。

「お・も・て・那須」手形で無料入浴も可能です

共同浴場の「元湯・鹿の湯」は平日でも混雑していますが、同じ源泉を引いた周囲の旅館ならゆったり楽しむことができます。

那須の周遊に便利なクーポン冊子「お・も・て・那須」手形の無料入浴対象施設にもなっていますので、お得に日帰り入浴で訪れてみるのもいかがでしょうか(手形利用による入浴は平日11:00〜14:00、繁忙期を除く)。

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/04/14−2015/04/15 訪問

- PR -

条件を指定して検索

- PR -

この記事に関するお問い合わせ

- 広告 -