超絶技巧!「石川雲蝶」の彫刻世界【新潟・西福寺】

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超絶技巧!「石川雲蝶」の彫刻世界【新潟・西福寺】

超絶技巧!「石川雲蝶」の彫刻世界【新潟・西福寺】

更新日:2013/05/09 12:43

佐久田 隆司のプロフィール写真 トラベルjpナビゲーター 佐久田 隆司 フリーライター、カメラマン

石川雲蝶は越後で活躍した江戸時代の彫刻家。今回紹介する新潟県魚沼市にある曹洞宗西福寺には、彼の作品が所狭しと残されています。その卓越した技は日光東照宮の「眠り猫」にも匹敵すると言われていて、この寺は別名・越後東照宮とも呼ばれ、とくに開山堂の天井透かし彫りは見事としか言いようがありません。そんな見る者に圧倒的な衝撃を与える、越後のミケランジェロ・石川雲蝶の作品を見に越後路へと出かけて見ませんか?

コンパクトな寺院配置

写真:佐久田 隆司

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西福寺は1534年の室町時代、芳室祖春大和尚によって開かれた500年の歴史があるお寺です。全体的には、こぢんまりとしたコンパクトにまとまった寺院である印象を受けますが、本堂をはじめ、開山堂、庫裏、山門、鐘楼など由緒正しきだけあって、立派な建築物が敷地内には並びます。
概ね豪雪地では積雪の重みなどから損壊を避けるため、様々な御堂を所持するのはまれなので、これだけ一通りそろっているのは珍しいでしょう。

※拝観料 中学生以上¥300 夏季9:00〜15:40

魅力的な本堂

提供元:西福寺・開山堂

http://www.saifukuji-k.com/地図を見る

石川雲蝶は絵の才能も秀でていたとされ、本堂に足を踏み入れると各所に点在する秀麗な襖絵が目に入ります。四季の花鳥、龍琥(りゅうこ)、三願の礼など多彩なモチーフが使われ、さらに透かし彫りを巧みに使った美保の松原の見事な欄間障子(らんましょうじ)は、光の差し込みで絶妙な陰影を見せつけます。また大縁廊下(だいえんろうか)の木材などにも石川雲蝶の施した埋め木が、その数50箇所以上も残されているのです。
39歳でこの土地にに訪れてからわずか5年数か月で、曹洞宗・西福寺にある彼の作品すべてが創られたのですから、一番脂の乗り切った時期をここで過ごしたことになるのです。

※欄間障子は彫刻細工を施した障子

開山堂はやぐらで守られている

写真:佐久田 隆司

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開山堂の外観にある、ちょっといかついやぐらは豪雪から守るために平成11年に造られたもの。本堂の部分でも触れたように、このあたりは日本でも名だたる豪雪地帯で、一晩で1m積もることもまれではありません。また湿り気のある積雪はかなりの重量になるので、こういった措置が取られました。かつては雪下ろしでしのいでいましたが、もはやそれがなくなったのも豪雪地の風情としては残念です。やぐらがなかった本来の姿に威厳を感じるのも時代の流れでしょうか。

日本のミケランジェロここにあり

提供元:西福寺・開山堂

http://www.saifukuji-k.com/地図を見る

曹洞宗・西福寺23代目住職「蟠谷大龍和尚」は、この地域の人々にとって、心の拠り所となる御堂を建てたいという思いから、当時越後で名を轟かせていた石川雲蝶を呼び寄せます。そして熱い蟠谷大龍和尚の想いを知った石川雲蝶が宗教観強い彫刻を行うことになったのです。
開山堂の天井にはおおよそ三尺(90cm)幅の板を三枚横に並べた形で石川雲蝶の透かし彫りが残されています。曹洞宗宗祖「道元禅師」を象り、脇で龍がにらみかける姿はド迫力!
残念ながら現在ここは撮影不可なので、写真は曹洞宗・西福寺からの掲載になりますが、ホームページでは360°パノラマ画像が楽しめるのでぜひのぞいてみてください。

ここまで石川雲蝶を天井彫刻に駆り立てたものは何だったのでしょうか。一瞬息を飲む、とはまさにこのこと!大概の方がしばし見とれ、圧倒的な存在感で寡黙にさせます。
東照宮と比較される彼の作品ですが、一人で制作した超絶技巧彫刻に日本のミケランジェロを感じないわけにはいきません。こんな日本人がいたことを改めて誇りに思うでしょう。

本尊は阿弥陀如来三尊

写真:佐久田 隆司

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そもそも西福寺は天台宗の寺院でした。本尊は阿弥陀如来三尊(あみだにょらいさんぞん)ですが、曹洞宗の寺院では釈迦如来(しゃかにょらい)を本尊とするのが習わし。しかしここは改宗されたのち本尊はそのまま安置されているので、若干特殊な曹洞宗寺院となります。

寺院に歴史を見ることもできます。しかしそれにもまして西福寺・開山堂の石川雲蝶の技巧を目の当たりにすると、ここに足を向けた甲斐を見出せます。冬は雪で長く閉ざされる魚沼の土地の、日本を代表する名匠石川雲蝶の凄まじいまでのリアリティーを、肌で感じる旅に出るのはいかがでしょうか。驚く前に息を飲む経験はなかなかできるものではありません。

掲載内容は執筆時点のものです。 2012/10/13 訪問

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