彦根城は、徳川家康の命令により1604年に着工され、すべての完成には約20年にかかったそうです。国宝に指定されている天守は、ご覧のとおり比較的小さめのものですが、江戸時代前期に作られ、なおかつ戦争中も焼失することなく現存していることが貴重だ、ということで国宝に指定されているようですよ。そもそも江戸時代に作られたお城は、軍事用ではなく藩の象徴としての役割を担っていたようです。
日本で国宝に指定されている城は、彦根城、姫路城、犬山城、松本城の4つしかなく、よくクイズ番組の問題にも出題されるほどです。私は高校時代の歴史の先生に、これらの4つのお城について教わりました。全国に4つしかないということにも驚きましたし、400年以上もの間、同じ場所に建ち続けていることにも感動しました。
しかしながら、400年の歴史を感じさせないほど、お城の外観がきれいなのは、平成に入ってから、天守の屋根や壁は塗り替えられているからです。
全国的に有名になった、ゆるキャラの「ひこにゃん」は残念ながら本日はいませんでした。かなりの人気キャラですから全国に出張に行って、留守にしていることも多いようです。
お城は天守に登るだけでなく、ぐるりと一周して4方向から眺めてみるのもおもしろいですよ。国宝の天守はもちろん、重要文化財に指定されている太鼓門櫓や天秤櫓などを見ながら、名勝「玄宮園」までぐるりと一周90分のコースはお散歩コースにぴったりです。
「玄宮園」は回遊式の庭園で、中央には彦根藩の来賓をもてなすための客殿があります。こちらの建物では、お菓子とお抹茶がいただけます。ゆっくりとお抹茶をいただきながら、庭園や天守を眺めれば、当時の来賓が受けたもてなしを体感できます。
交通アクセス JR彦根駅より徒歩10分
彦根城観覧料 大人600円 小・中学生200円
玄宮園観覧料 大人200円 小・中学生100円
さて、彦根城から約20km南に、近江商人ゆかりの街並みが残る近江八幡があります。近江八幡には、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている地区があり、この八幡堀沿いの町並みもそのひとつです。時代劇の撮影にもよく使われるこの八幡堀を、ゆっくりと船で巡ってみましょう。
乗り場は観光スポットにもなっている「かわらミュージアム」のすぐ脇にあります。八幡堀界隈は、地上から見ても江戸時代にもどったかのような気持ちにさせてくれますが、白壁の土蔵が立ち並ぶ風景を、ゆっくりと進む船から眺めるのも心が安らぎます。
「かわらミュージアム」から「赤煉瓦工場跡」までを往復し、所要時間は35分ほどです。運航時刻は特に決まっていませんので、2名以上そろえばその都度船を出してくれます。ただし、10名以上の団体や、冬期の12月から3月は予約が必要です。
「八幡堀めぐり」
電話:0748-33-5020
料金:大人1000円 子ども500円 小学生未満は無料
営業時間:平日は午前10時から15時、休日は10時から16時
「八幡堀めぐり」が終わったら近江八幡の歴史ある街並みを歩いてみましょう。「八幡堀めぐり」の発着地点、かわらミュージアムをスタートし、観光案内所となっている「白雲館」を目指します。
「白雲館」は明治10年、八幡東学校として建設されたもの。近江商人が子どもの教育充実をはかるために学校建設を呼びかけ、建設費用のほとんどを寄付でまかなったそうです。現在は観光案内所として、観光客への情報を提供しているほか、お土産品なども展示販売しています。
「白雲館」から次は新町通りに向かいます。写真にもあります新町通りは、八幡堀沿いの町並みとともに、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。江戸時代にタイムスリップしたかのような風景です。
今回の彦根と近江八幡は、私のように歴史を教えている人間が訪れるにはとても興味深い地区ですが、歴史にそれほど興味がない方でも、「ひこにゃん」を探したり、船に乗って優雅な堀めぐりなどができますので、天気のよい日にゆっくりと歩いて観光してみてはいかがでしょうか。
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(2024/4/19更新)
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