写真:bow
地図を見る風水に基づいて造られた都市である平安京。その姿を今に伝える京都の中心、京都御所は印象的なほどに真直ぐに伸びる塀で囲まれています。
しかし、1か所だけ何やら不可思議な部分があります。それは京都御所の北東にあたる角の塀で、何故かここだけ直線ではなく凹んでいます。実はここは京都御所の鬼門とされる位置で「猿が辻」と呼ばれています。鬼門にあたる位置を凹ませることにより、鬼門を無くしているのです。
幕末の1863年、尊皇攘夷派の姉小路公知が何者かに襲われ命を落とした「猿が辻の変」は、まさにこの「猿が辻」の前で起こった出来事です。
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地図を見るさて、「猿が辻」はなぜそんな名前が付いたのかというと、軒下には一体の猿の像がいるからなのです。この猿は京都御所から北東の方角にそびえる、京都の鬼門を守る比叡山にある日吉大社の神の使いである猿。
烏帽子をかぶり、御幣を持つこの猿は鬼門除けの役割であるのですが、夜な夜な辺りをうろついては通行人にいたずらをするため、金網で囲って封じ込めたといわれています。
鬼門を守るはずが囲われちゃったなんて、ちょっとドジなお猿さんなのですが、実は京都御所と比叡山を結ぶ直線上には鬼門の方角を守る神社があり、そこには「猿が辻」と同じ境遇のお猿さんが他にもいるのです!
<猿が辻の基本情報>
住所:京都市上京区京都御苑内(京都御所北東角)
アクセス:市バス「同志社前」下車徒歩約5分、地下鉄「今出川」下車徒歩約10分
写真:bow
地図を見る京都御所から北東の方角にある「幸神社(さいのかみのやしろ)」は平安時代の創建という由緒ある神社。ここも鬼門を守護する役割で建てられた神社であり、今ではこじんまりとした神社ですが、かつては広大な神域を持っていたそうです。
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地図を見るさて、そんな「幸神社」にもお猿さんがいるのですが、恐らく存在を知らないまま「幸神社」を訪れたら気付かずに帰ってしまいそうな場所にいます。社殿の北東側に行けば、「ここにおさるがいます」との謎のメッセージが。
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地図を見るそこには京都御所と同じく烏帽子をかぶり、御幣を持っているお猿さんが!そしてやはり、ここのお猿さんも囲まれてしまっているのでした。
<幸神社の基本情報>
住所:京都府京都市上京区幸神町303
アクセス:京阪電車「出町柳」下車徒歩約10分、市バス「河原町今出川」下車徒歩約10分
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地図を見る「幸神社」から更に北東方面、比叡山の麓にある「赤山禅院」は比叡山延暦寺の塔頭の一つでもあります。皇城(京都御所)表鬼門の鎮守として赤山大明神をまつる「赤山禅院」にもお猿さんがいます。
それはなんと拝殿の屋根の上!望遠レンズでないとちゃんと表情が見えないような屋根の上ですが、やはり金網に囲まれた状態。こちらのお猿さんは御幣と神楽鈴を持って京都御所を守るべく日夜頑張っているのです。
<赤山禅院の基本情報>
住所:京都府京都市左京区修学院開根坊町18
電話:075-701-5181
アクセス:叡山電車「修学院」下車徒歩約20分、市バス「修学院離宮道」下車徒歩約20分
御所から見た鬼門の方角ではないのですが、東山にある「新日吉神宮(いまひえじんぐう)」は比叡山の日吉山王の神を勧請した神社。ここにもその神の使いであるお猿さんがいます。しかもここには狛犬ならぬ狛猿という形で2体も!
そしてこれまた金網で厳重に囲まれてしまっています。やはり夜な夜な動き出すのを防ぐためという理由と、もう一つは神の使いであるお猿さんが盗まれてしまわないようにという意味合いもあるようです。
そもそもなぜ猿なのかというのは、鬼門の方角=丑寅の方角の対極の位置が申=猿というところからきているようです。つまり対極の力を持つ猿を鬼にあてがったということなのです。
<新新日吉神宮の基本情報>
住所:京都府京都市東山区妙法院前側町451-1
電話:075-561-3769
アクセス:市バス「東山七条」下車徒歩約5分
いかがでしたでしょうか、風水に基づいて造られた都市である平安京に配置された昔から伝わる鬼門除けの神社。そしてそこにいる神の使いでもあるお猿さんは「神猿(まさる)」と呼ばれ、魔が去る、何よりも勝るということから魔除けの象徴として平安京を守ってきた存在だったのです。1200年の古都京都に伝わる、ちょっと変わったお猿さんたちを訪ねてみるのも面白いかもしれませんよ?
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(2024/4/24更新)
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