由布院の山荘無量塔には、他のお宿にはない独特の世界観があります。
その一つがレストラン・バー・セレクトショップが点在していることです。
本格手打ち蕎麦の不生庵。森で生まれたショコラショップ。贅沢な山里料理の茶寮柴扉洞。アート空間カフェ「artegio」。湯布院で大人気のロールケーキ専門店「B-speak」…。
こういったセレクトショップを巡るだけでも丸一日楽しめそうです。
ただ本当の無量塔を知るには、象徴的な存在であるラウンジである「Tan’s bar」に夕刻に訪れてみることをお勧めします。実は無量塔には大浴場がありません。温泉地でありながら、敷地内に敢えて優先してバーを設けるところが無量塔らしさなのです。
ここは18:00以降はバータイムとなり、宿泊者限定となる大人の時間。
明治時代の民家を移築した店内は重厚でスタイリッシュ。イギリス製の大きくて真っ赤な劇場用スピーカーが奏でるクラシックやジャズは至高のひととき。アンティーク家具や調度品など、ため息がでるほど素敵な和モダン空間が、旅人を優しく包みこみます。
この無量塔は12室ほどの離れ構成になっています。
宿泊した「相」は山荘の中程に位置する客室で、メゾネットタイプで130平方mの広さがあり、15畳の洋室リビングと10畳和室に2階に8畳のベットルーム、内風呂という構成です。主要な柱のみ新潟より移築し、他は全て現代的なデザイナーが手がけています。
2Fのベッドルームは明かり取りの窓は控えめにして、適度な照明がグッド。由布院とはいえ、ほぼ森の中の一軒家のようなものなので、静けさも言うことありません。
客室に共通しているのは、まさに上質な空間。
山荘全体に流れる凛とした空気。緻密に計算され尽くした卓越したセンス。北欧家具や調度品に包まれている間に、ゆったりとした流れが時を刻んでいきます。
室内の浴室は温泉がたゆまず流れ、湯加減もちょうど良く保たれています。
無量塔には大浴場が無いので、この客室の浴室だけが湯浴みする場所となります。引き戸を開けると半露天風呂風になり、気分も一層ゆったり。客室内にあるので、いつでも好きな時間に湯浴み出来るのは、嬉しい限りです。
客室ごとに個性的でスタイリッシュな半露天が楽しめます。温泉を主に楽しみたいのであれば、まずは客室から選択するのも楽しいでしょう。
お食事は客室によりいただく場所が異なり、個室もしくは客室となります。
由布岳の麓、四季を映した山里料理がならびます。懐石料理や美食を謳うお宿とは異なりますが、地元で採れる食材中心の料理は器、盛り付け方にも随所に無量塔のセンスが。
自家製スープで煮込む地鶏鍋や香味野菜を練り込んだもろみ味など、由布院らしい素朴さが感じられ、滋味豊かな料理をいただきながら夜が更けていきます。
ハイセンス、ハイクラスな無量塔。
ここにあるのは無限の豊かさを抱いた空間。日本各地から移築した古民家を中心とした由布岳山麓に点在する離れの宿で、鳥の声、風と樹の音、山の静謐な空気を肌で感じられます。
無量塔では歩調もゆるやかで、話し声も静かです。ハイセンスな調度品に包まれながら、ゆったり自然に浸かるお宿と言って良いでしょう。
風のそよぎや鳥のさえずりに耳を傾けながら、悠久の時の刻みに身を委ねては如何でしょう。
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