金運パワースポット&旧遊郭街!奈良生駒・宝山寺の謎と神秘の旅

金運パワースポット&旧遊郭街!奈良生駒・宝山寺の謎と神秘の旅

更新日:2017/08/30 16:37

沢木 慎太郎のプロフィール写真 沢木 慎太郎 放送局ディレクター、紀行小説家
日本三大聖天のひとつ、奈良県生駒市の「宝山寺」。初日の出や初詣、お彼岸の万燈会(毎年秋分の日)で賑わう人気のお寺です。ヒンドゥー教のガネーシャを起源とする仏教の守護神「聖天」(歓喜天)をまつり、金運アップや良縁・縁結び、夫婦和合のご利益があります。生駒は古くから霊場で、今もシャーマニズム信仰や断食場があり、さらには旧遊郭街の面影を残すディープな観光スポット。宝山寺の謎と神秘を探る旅をご紹介します。

「宝山寺」への行き方、アクセスは? かわいいケーブルカー 楽しいハイキングがおすすめ

「宝山寺」への行き方、アクセスは? かわいいケーブルカー 楽しいハイキングがおすすめ

写真:沢木 慎太郎

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奈良県生駒市の「宝山寺」。“生駒の聖天(しょうてん)”さん、と呼ばれています。「宝山寺」は生駒山の中腹にあるため、かわいいケーブルカーに乗って向かうのがおすすめ。

近畿日本鉄道・奈良線の「生駒駅」で下車。すぐ近くに生駒ケーブルの「鳥居駅前駅」があり、犬と猫型の車両がスタンバイしています。名前は「ブル」と「ミケ」(写真)。「宝山寺駅」を経て、生駒山頂(642メートル)までを結ぶ日本最古のケーブルカーです。

「宝山寺」への行き方、アクセスは? かわいいケーブルカー 楽しいハイキングがおすすめ

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子どもたちに大人気の「ブル」「ミケ」ですが、近鉄「生駒」駅から生駒山上(約3.4キロメートル、約1時間30分)のハイキングコースがあるので、チャレンジするのもおすすめ。

途中の宝山寺までは約1.3キロメートル(約30分)。石段の参道が連なっているのですが、春には桜のトンネル、夏は新緑、秋は紅葉となり、門前町の風情が感じられます。ただ、普段運動していない人には、かなりきつい。

「宝山寺」への行き方、アクセスは? かわいいケーブルカー 楽しいハイキングがおすすめ

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写真は、宝山寺近くの門前町のようす。「観光生駒」と書かれたアーチがありますが、これを左に進むと生駒ケーブルの「宝山寺駅」。右の階段を下りて行くと、さきほどの桜並木の石段を経て、近鉄・生駒駅へ。手前にも石段が連なり、宝山寺へ向かう参道となっています。

寅さんも美人芸者とデートした!旧遊郭街の面影残す「宝山寺」の旅館街

寅さんも美人芸者とデートした!旧遊郭街の面影残す「宝山寺」の旅館街

写真:沢木 慎太郎

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宝山寺周辺は、「生駒新地」と呼ばれ、旧遊郭街があったディープなスポット。石畳の参道の両脇に旅館や料亭が並び、芸妓さんが出入りしていた花街です。石灯籠の列や木造旅館、レトロな喫茶店が並ぶ旧生駒新地。眼下に市街地が広がり、街の喧騒は遠くに。

演歌歌手の故・藤圭子(歌手、宇多田ヒカルの母親)が、「生駒は哀しい女町」(女町エレジー)と、夜の世界に生きる女性の感情を切なく歌っています。

また、生駒山の宝山寺は、山田洋次監督の映画「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」(1981年公開)の舞台にもなった場所。

寅さんも美人芸者とデートした!旧遊郭街の面影残す「宝山寺」の旅館街

写真:沢木 慎太郎

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昔ながらの風情ある旅館街から、山を登っていくと、あたりは鬱蒼とした杉木立に。石畳の参道のまわりには古い灯籠が整然と建ち並んでいます。

さきほどの映画「男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎」では、主人公の寅次郎(故、渥美清)は、美人芸者のふみ(松坂慶子)と石切神社(石切劔箭神社、大阪府東大阪市)で再会し、デートを楽しんだのが宝山寺です。

杉木立の合間から、眼下に広がる市街地が見え隠れ。まるで雲の上にいるかのよう。神秘的な秘境感が漂う寺院が「宝山寺」。男女の機微にも触れる桃源郷です。

寅さんも美人芸者とデートした!旧遊郭街の面影残す「宝山寺」の旅館街

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石畳の参道を真っすぐ進むと、やがて見えてくるのが「一の鳥居」。大しめ縄は毎年12月16日、新しく入れ替えて新年を迎えます。「宝山寺」はお寺ですが、神社の象徴である鳥居を設けているのは、古代のヒンドゥー教とも言えるバラモン教の神(天部)を祀っているからです。

男女の愛のシンボル!「宝山寺」の聖天(歓喜天)さんの謎

男女の愛のシンボル!「宝山寺」の聖天(歓喜天)さんの謎

写真:沢木 慎太郎

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天部(てんぶ)は、古代インドの神々のこと。やがてインドで仏教が生まれますが、古い神さまは新たに誕生した仏教を守る守護神と考えられるようになりました。梵天、四天王、弁財天、大黒天、金剛力士、聖天などが天部です。

数ある天部のうち、「聖天(しょうてん)」をお祀りしているのが宝山寺。聖天は、「歓喜天(かんぎてん)」とも呼ばれ、財福をもたらすヒンドゥー教のガネーシャを起源とする神。宝山寺では毎月1日、16日に歓喜天縁日が行われ、商売繁盛など現世利益を祈願する人々で賑わいます。

男女の愛のシンボル!「宝山寺」の聖天(歓喜天)さんの謎

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階段を上り、地蔵堂を抜けると、格式高い堂々とした「本堂」(写真手前)があります。本堂は、創建当時の威風を示す宝山寺最古の建物。本尊の不動明王を祀っています。

本堂の左に見える建物が「拝殿」。その後ろにあるのが「聖天堂」で、大聖歓喜天(聖天)を祀っています。宝山寺では、「双身歓喜天」と呼ばれ、秘仏なのでそのお姿を見ることはできません。

男女の愛のシンボル!「宝山寺」の聖天(歓喜天)さんの謎

写真:沢木 慎太郎

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ガネーシャは象の頭の姿をした神さま。荒ぶるガネーシャを、仏教の十一面観音菩薩が象の頭をした女神に変身し、抱きあうことで善神に変えたという伝説があり、抱きあう男女神が宝山寺の聖天堂に祀られている「大聖歓喜双身天像」。この像が、“生駒の聖天さん”の愛称で親しまれています。

この「大聖歓喜双身天像」を作り、生駒山中腹の巨大な断崖に祀ったのが、江戸時代の仏像の彫刻家でお坊さんの湛海(たんかい)。1678年に宝山寺が開山しました。

金運・恋愛運アップも!夫婦和合、子宝にもご利益!「宝山寺」は強力なパワースポット

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写真:沢木 慎太郎

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抱きあう男女は、愛欲が満たされる喜びの姿。「歓喜天」と呼ばれるのはこのためで、財運や福運だけでなく、男女の愛情、夫婦和合、子宝、恋愛運アップにもご利益があるパワースポット。寅さんが、なぜ宝山寺に美女を誘ったのか。恋愛でなく、あえて友情を取った寅さんの恋は、友愛として相手の女性の心に残り続けることになります。

金運・恋愛運アップも!夫婦和合、子宝にもご利益!「宝山寺」は強力なパワースポット

写真:沢木 慎太郎

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宝山寺の特徴は、背後にそびえる巨大な崖。溶岩が噴き出したところで、般若窟(はんにゃくつ)と呼ばれます。

日本は古くから自然崇拝(精霊崇拝、アニミズム)があり、巨大な岩は神が住む神聖な場所として崇められてきました。修験道の開祖・役小角(役行者)や、平安時代の僧「弘法大師(空海)」が般若窟で修行していたと言われています。般若窟には、弥勒菩薩像が安置され、山中の寺院ならではの独特な趣があります。

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写真:沢木 慎太郎

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宝山寺の敷地は広く、安らかなお顔の石仏、お地蔵さんに出会うことができます。写真の「地蔵堂」をはじめ、高台に並ぶ「文殊堂」「常楽殿」「観音堂」も趣があり、不思議なパワースポット。「延命水」と呼ばれる湧き水を過ぎると、奥の院本堂、開山堂へと続く山道があり、木漏れ日のなかで静かに微笑する数多くのお地蔵さまと出会うことができます。

謎と神秘の旅!ゆるくて、楽しい!「宝山寺・獅子閣」「岩屋の滝」「生駒山上遊園地」

謎と神秘の旅!ゆるくて、楽しい!「宝山寺・獅子閣」「岩屋の滝」「生駒山上遊園地」

写真:沢木 慎太郎

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独自の寺院建築だけでなく、オシャレな洋館も見られるのが宝山寺の謎と魅力。「獅子閣(ししかく)」(重要文化財)は、明治時代に建てられた客殿(迎賓館)で、社寺建築を得意とする宮大工が手がけました。洋館でありながら、瓦屋根があり、ステンドグラスを使いながらも和室があるなど、洋と和が美しく調和した全国的にも珍しい建築。普段は非公開ですが、特別に公開されることもあるのでチェックしてみて下さい。

謎と神秘の旅!ゆるくて、楽しい!「宝山寺・獅子閣」「岩屋の滝」「生駒山上遊園地」

写真:沢木 慎太郎

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宝山寺周辺は、シャーマニズム信仰や断食場、ケーブルカーでしかアクセスできないヨガセンターなどがあり、独特の雰囲気に満ちあふれています。また、宝山寺から近い梅屋敷(生駒ケーブル「梅屋敷駅」)には「岩屋の滝」と呼ばれる修行地があり、知る人ぞ知る強力なパワースポット。古来の山岳宗教の流れを含む霊場であり、謎めいた神秘的なオーラが張りつめています。都会に近い場所でありながら、秘境感と自然を楽しむことができます。

謎と神秘の旅!ゆるくて、楽しい!「宝山寺・獅子閣」「岩屋の滝」「生駒山上遊園地」

写真:沢木 慎太郎

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宝山寺から生駒山頂へ向かう生駒ケーブルでは、オルガン型車両の「ドレミ」とケーキ型の「スイート」(写真)があり、パステル調のファンシーな車両も、子どもたちに人気があります。

生駒山頂にある「生駒山上遊園地」では、日本最古の飛行塔や、山上ならではの眺望が楽しめるアトラクションも。ゆるくて、楽しい乗り物が多く、のんびり楽しむことができるので、ファミリーやカップルにおすすめです。

駐車場は無料!入山料も無料!奈良・生駒「宝山寺」はコスパ抜群の金運・恋愛パワースポット

いかがだったでしょうか?
宝山寺では、大根が交差した図柄や、きんちゃく袋をイメージした賽銭箱など、いろんなところにユニークなデザインを見ることができます。これは、聖天さんの好物がダイコン(男女の交わりをイメージしたという説も)で、手に持っている砂金袋を表したもの。

さらに、牛の像(天神さん)や狛犬、おみくじ、七福神、台所の神様の荒神(こうじん)、トイレの神様のウスサマ明王などもあり、実に不思議で神秘的な寺院です。宝山寺には無料の駐車場が整備されているので、クルマでのアクセスも便利。さらに入山料も無料。ドライブやハイキングの途中で宝山寺を参拝し、古都・奈良の一味違った観光旅行も楽しまれてみてはいかがでしょうか?

なお、奈良県生駒市の「宝山寺」周辺の観光&ミステリー・パワースポットなどについては別途、記事にまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに貼り付けたリンクからのぞいてみて下さい。

掲載内容は執筆時点のものです。 2013/04/02 訪問

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