自然に抱擁された白老「ポロトコタン」でアイヌ文化の殿堂に出会う!

自然に抱擁された白老「ポロトコタン」でアイヌ文化の殿堂に出会う!

更新日:2015/09/24 16:00

ろぼたんのプロフィール写真 ろぼたん 週末の旅人、北国グルメ推進委員会
北海道とロシアにまたがる北方先住民族であるアイヌ。北海道の地名はアイヌ語を由来としたものが多く、その言葉や文化は学ぶことがたくさんあります。白老の「ポロトコタン」はアイヌの人々が生活していたコタン(村)をポロト湖畔に復元した野外博物館です。

「祈り」「歌」「踊り」「食」、有形・無形のアイヌ文化に出会いに白老へ!
民族楽器ムックリの演奏や、国の重要無形民俗文化財に指定されたアイヌ古式舞踊は必見!

アイヌの文化を体験できる「ポロトコタン」とは?

アイヌの文化を体験できる「ポロトコタン」とは?

写真:ろぼたん

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アイヌ語で「ポロ」は「大きい」、「ト」は「湖」、「コタン」は「村」。つまり、「ポロトコタン」とは大きい湖のところにある村という意味。
札幌の名前も諸説ありますが、「ポロ」については、アイヌ語のこの「大きい」という意味だと言われています。北海道の地名には、アイヌ語の音をもとに漢字やカタカナをあてたもの(札幌、小樽、釧路、稚内など)、アイヌ語の意味から漢字に移し変えられたもの(滝川、紋別、登別など)などが多数存在し、日常でも知らないうちにアイヌの文化に触れているといってもいいかもしれません。

そして実際のアイヌの文化の有形・無形の文化を肌で感じられる場所が白老にある「ポロトコタン」です。世の中の喧噪から離れ、独特の静寂感に包まれた「ポロトコタン」は、森と湖に囲まれた美しい場所にあります。北海道の息吹を感じる湖のほとりは神秘的。現代人が求めている“癒し”をあたえてくれるかのようです。

アイヌの集落が再現された野外博物館

アイヌの集落が再現された野外博物館

写真:ろぼたん

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園内に入ると高さ16mもあるむらおさの像、コタンコロクルがお出迎え。アイヌのかやぶきの家(チセ)5棟を中心にかつての集落の様子を感じる野外博物館になっています。

チセをかたどったアイヌ博物館では、アイヌの文化的所産である道具や服など暮らしの様子を展示。野草園では、アイヌと植物との関わりを知ることができます。アイヌは北海道の山野に自生する野草を様々な方法で食用、薬用などに利用してきました。園内には、約50種類もの野草や集落で食用として育てていたヒエやアワなどが栽培されています。

カフェではよもぎソフトクリームやアイヌの伝統料理の塩味のスープ「オハウ」や、どんぐりを練りこんだうどんの「ニセウうどん」など他では味わえないお食事も楽しめます。その他、ひぐまやソフトバンクのお父さん犬の子供(北海道犬)なども飼育されており見所がいっぱいです。

アイヌ文化の伝統の見学と体験!

アイヌ文化の伝統の見学と体験!

写真:ろぼたん

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先ほどの写真にあるかやぶき屋根のチセ。内部ではアイヌの伝統芸能や手工芸の実演などを見学することができます。ポンチセ(小さい家)では乾燥したガマの葉を利用してキナ(ござ)を編む様子や、オヒョウの樹皮から繊維をとってアイヌ独特の文様を施して着物を仕立てる様子を実演・公開しています。

また、アイヌ博物館内だけでなく、チセの中にも、食器や道具などが展示されています。個人で訪問する場合は、先に博物館の中で解説などを確認してからチセを訪れるとより暮らしの中で使ってきた様子が具体的にイメージできていいかもしれません。

※事前申込によって体験学習もできるので興味のある方は下記MEMOにあるHPよりご確認ください。

国の重要無形民俗文化財、必見の古式舞踏!

国の重要無形民俗文化財、必見の古式舞踏!

写真:ろぼたん

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火がおこされた囲炉裏、その煙によって燻されたサッチェプ(鮭)、文様の美しい伝統衣装が飾られた大きなチセ。ここでは、1時間毎に「お話と踊り」のプログラムが開催されています。「お話」の中では昔からの生活、風習、行事、歴史などがわかりやすく解説者から説明があり、その後、アイヌの楽器ムックリ(口琴)やトンコリ(五弦琴)などの演奏、歌などが披露。動物や自然の音からくるリズムや音楽は独特の世界観がありながら、新しさすら感じるビートがあり心に響くものです。

古式舞踏は国の重要無形民俗文化財にも指定されており、迫力のある熊の霊送りの踊りなどは必見です!

サッチェプ(干し鮭)は神様からの贈り物

サッチェプ(干し鮭)は神様からの贈り物

写真:ろぼたん

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今も北海道の代表的な魚である鮭は、アイヌにとっても最も重要な食料のひとつでした。半年を雪に閉ざされる北海道での重要な食料として保存された鮭。秋に川を遡上した鮭の内臓を取り出し、塩漬けにし、水洗いをした後、冬の2ヶ月程度寒干しに。その後いろりの煙にあてて燻製にしたのです。

チセ内の囲炉裏はもちろん暖をとる意味もありますが、かやぶきの屋根のため、そして鮭の燻製のために炊かれています。訪問する季節によって湖畔で寒風干しをしている様子やチセ内での燻製の様子を見学することができますよ。毎年5月から昨年の秋、白老の前浜で獲れた鮭の燻製が売店で購入することができます。まるまる1本は5,000円と値がはりますが、1パック(180グラム)500円も販売。博物館内で手作りしているサッチェプはここでしか購入できず、ポロトの味覚として毎年夏頃には品薄になるという人気商品です。

自然とアイヌ文化の両方に親しめる「ポロトコタン」・白老へ

北海道の先住民族アイヌの歴史と文化を知ることのできる「ポロトコタン」。北海道の自然の美しさと厳しさをも感じる場所です。見学だけであれば1時間程度でできますが、売店ではアイヌの文様を使った織物や小物、アクセサリーなども購入でき、少し時間の余裕をもって訪れたいところ。アイヌが大切にしてきた自然とともに生きる姿を残すため、季節ごとの行事も行われており四季を変えて訪れるのもよいでしょう。

また「ポロトコタン」のある白老は小さいながらも白老牛や前浜の海の幸が有名な美食が楽しめる町です。特に虎杖浜や前浜のたらこは有名。他にもこだわり卵を購入できるマザーズは卵そのものだけでなく、スイーツやお食事も楽しめるため、休日には多くの人が訪れる人気スポットになっています。

北海道を深く知ることのできる場所、「ポロトコタン」を訪ねてみませんか?

この記事の関連MEMO

掲載内容は執筆時点のものです。 2015/04/28 訪問

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